1987 Fiscal Year Annual Research Report
運動ニューロンの分化と成熟に関するする分子生物学的研究
Project/Area Number |
62623515
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
出口 武夫 (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究室合研究所, 参事研究員 (20073059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 友行 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経解剖学研究室, 主任研究員 (90150193)
石井 加代子 (財)東京都神経科学研究所, 分子神経生物学研究室合研究所, 流動研究員 (30193246)
中根 正樹 (財)東京都神経科学研究所, 分子神経生物学研究室合研究所, 主任研究員 (50100144)
石田 功 (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究室合研究所, 主任研究員 (10142150)
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Keywords | 運動ニューロン / コリンアセチル移転酵素 / アセチルコリン / 成長因子 / 筋管形成 / cDNA |
Research Abstract |
(1)ウシ脳のコリンアセチル転移酵素(ChAT)に対する単クローン抗体を結合したイムノアフィニティクロマトグラフィーにより, ウシ脳のChATを単一の蛋白質にまで精製した. これをリジンエンドペプチターゼで分解し逆層HPLCにより蛋白質断片を分離し, その一部についてアミノ酸配列を決定中である. (2)ウシ脊髄の前角部分を集め, これよりPoly(A)RNAを精製し, cDNAを作成した. このcDNAを発現ベクターであるλgtllと連結したのち, C600大腸菌に感染させcDNAライブラリーを作成した. 約5×10^6のファージを上記の単クローン抗体でスクリーニングすることにより陽性クローンを7個分離することがじきた. このうち3個は交叉反応を示し, かつノーザンブロットで脊髄と脳に特異的であることから, ChATのcDNAと考えられた. その制限酵素マップを作成したのち, 約1500塩基について塩基配列を決定した. (3)ブタの酵素についてはN-末の11個のアミノ酸配列が報告されているので, これらから推定されるオリゴヌクレオチド(26mer)を作成した. 一方, ブタ脊髄よりPoiy(A)RNAを精製し, cDNA-λgt10ライブラリーを作成し, これを上記のオリゴヌクレオチドをプローブとしてスクリーニングした結果陽性反応を示すクローンを11個確立することができたので, 現在その塩基配列を決定中である. (4)マウス胎児の脊髄神経細胞を筋細胞と共存培養するとChAT活性が著しく増加し, これは筋細胞からの成長因子によるものと考えられる. このChAT活性の促進効果と筋細胞の成熟(筋管形成)との相関性を解析した. 脊髄神経及び筋細胞の共存培養系にβ-TGFを添加すると筋芽細胞の筋管への成熟は阻止される. この際CPKのMBタイプの発現も阻害されるが, この条件下では筋細胞のChAT活性促進効果は観察されなかった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tomoyuki Ichikawa,Isao Ishida,Yukio Hirata and Takeo Deguchi: Neuroscience Letters. 81. 24-28 (1987)
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[Publications] Isao Isaida,Tomoyuki Ichikwa,and Takeo Deguchi: Journal of Neurochemisy. 49. 933-938 (1987)
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[Publications] 出口 武夫: 神経研究の進歩. 31. 907-916 (1987)
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[Publications] 出口 武夫: 神経化学. 26. 160-162 (1987)