1988 Fiscal Year Annual Research Report
旋律データベースを対象とした知的検索システムの開発
Project/Area Number |
62810001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂口 瑛 筑波大学, 電子情報工学系, 助教授 (90026021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 順人 筑波大学, 電子情報工学系, 助手 (30111090)
小島 美子 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (20183337)
中山 和彦 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (50091913)
坂口 瑛 筑波大学, 電子情報工学系, 助教授 (90026021)
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Keywords | 音楽 / 旋律情報 / 音高 / 音価 / 旋律パターン |
Research Abstract |
音楽を形づくる情報のうち、最も主要な情報は旋律情報である。この旋律情報は伝統的には、音高、音価、音量、音色が組み合され、時系列的に変化する対象ととらえられてきた。しかし、従来の五線譜に代表される記譜法では、このうち、音高、音価の変化が主要な要素として取り扱われていると言えよう。本年度においては、音楽システムの分析援用機能の実装との関係において、この音高、音価の変化が実際の曲において、どのようなふるまいをするのかを考察する事に主眼を置いた。音高の情報については、音の絶対的な高さよりも、相対的な変化に、心理的な影響力が存在するやに感ずる事が日常経験される。そこで、旋律冒頭部より、連続する二音の差分を計量する事により、変化量に写像された"旋律"をもとめた。このデータをもとに、頻度分布の視点から、旋律(音高)変化のパターンの分析を試みた。このパターン分析では、特に音高の変化が生じる時、その変化が加速的であるか減速的であるかの性質が興味深く、引き続き考察を加えている。以上の事は、一曲全体を通じてのグローバルな性質であるが、局所的な部分旋律においても同様な手法が適用され得た。例えば曲の冒頭部や終止部における数音の変化形は、その曲の印象に深い影響を持つと考えられる。その中でも特に、曲の終止感と音高変化のパターンとの間には相関関係が認められ、特徴的なパターンを抽出し得た。しかし、この差分にもとづいたパターンの分析の手法では、曲のマクロ的な構造の抽出には、必ずしも充分であるとは言えないと考える。音楽研究援用システムの側面からも、旋律構造を直接取り扱う機能が望ましい。この点につき、音楽学研究者との共同作業により、基礎的な検討を加えた。音価分析の機能に関しては、小節の認定を人間が行う方法でのリズムパターン抽出を試みたが、自動化への方向を考察している。
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Research Products
(1 results)