1988 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒パルス光グレーティングの周期的励起によるCWコヒーレントフオノン発生の研究
Project/Area Number |
62840008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
端 恒夫 京都大学, 理学部, 教授 (10025231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮崎 努 京都大学, 理学部, 助教授 (60026127)
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Keywords | グレーティング / フオノン / 超音波 / レーザー応用 / 液晶 |
Research Abstract |
前年度にひきつづきモードロックYAGレーザーの第二高周波出力(波長532nmパルス巾〜150ps、繰り返し周波数f=82MHz)を用いて光誘起グレーティングの周期的励起による周波数nf(ni整数)のコヒーレントフオノン生成の実験を行った。 前年度はn=3まで即ち82、164、246MHzのフオノン生成を行ったが、今年度は更に周波数の高いフオノンの生成検出を行った。このような高周波フオノンは前年度のようなHeーNeレーザーによるCWプローブ方式では検出出来ないので、励起パルスレーザー光の一部を遅延させて、パルスプローブ光として用い、時間分解方式による検出を行った。Brilliaut Greenをエタノールに溶かした試料(濃度1×10^<-3>mol/l)についてn=13(1.06GHz)までのフオノンの生成に成功した。またレーザーパルス列を遅延させ重ね合せて4f=327MHZの繰り返し周波数のパルス列を作りそれを励起パルス光として用い、高周波フオノンを生成する実験も行った。 発生されたフオノンを用いる研究として、異方性をもつ試料、液晶MBBA、DOBAMBCについて実験を行った。配勾させたMBBAについて82MHzの音波を発生させ観則した結果、プローブ光が常光線の場合と異常光線の場合とでは観則される音波の振舞いが著しく異なることを見出した。この相違は常光線と異常光線の屈折率の温度変化の違いによるものとして説明される。また同じ原因によって熱グレーティングの振舞も著しく異なる。DOBAMBについては相転移点における音速の変化が観則された。試料が薄い(厚さ数十ミクロン)という特異な条件での音速という観点からこの実験結果の解析を行いつつある。
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Research Products
(1 results)