1988 Fiscal Year Annual Research Report
大出力ミリ波パルス発生のためのレーザ・トリガー超伝導薄膜スイッチの開発
Project/Area Number |
62850012
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
南 一男 新潟大学, 工学部, 教授 (00023135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 景三 新潟大学, 工学部, 助手 (00194811)
美寺 久光 新潟大学, 工学部, 助教授 (60018471)
上岡 泰晴 東洋酸素, 低温開発研究所, 所長
粟野 満 東京工科大学, 工学部, 教授 (20016009)
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Keywords | 超伝導薄膜 / ミリ波 / YAGレーザー / 高温超伝導体 / 高周波超伝導 / スイッチング |
Research Abstract |
本研究の目的は、BPB(BaPb,_<1-x>Bi,xO_3,Tc=13K)またはYBCO(YBa,2Cu,_3O_<7-x>,Tc=90K)の超伝導半金属多結晶薄膜にYAGレーザー光パルス(波長1.06μm、出力40MW、時間幅10nsec)を照射し、大出力ミリ波(23GHz)のスイッチング方式を開発することである。昨年度のYAGレーザー発振器の整備等の結果をふまえて、最終年度の本年度には次のような結果が得られた。1.YBCOバルク試料を作製し、これを共振周波数2.86GHz、TE_<011>モードの銅空洞内に設置し、温度77K以下に冷却した。過渡応答法で空洞のQ値を測定し数値計算によって試料の高周波電気伝導度を導出した。約80Kを境にして高周波超伝導が確認され、その温度特性を調べた。この結果は世界で最初のものと考えて公表した。2.YBCOバルク材料で共振周波数23.59GHz、TE_<011>モードのミリ波空洞を製作し、77Kに冷却しQ値の測定を行なった。今までのところ、1.1×10^5の無負荷Q値が得られている。この値は過去の報告例よりも10倍以上大きい。試料がもろいこと、データにばらつきがある点を現在改良中であり、公表準備中である。3.BPB薄膜を共振周波数2.84GHz、TE_<111>モードの銅空洞中に装荷し13K以下に冷却した。試料に電流パルスを加えることにより急激な常伝導転移を行なわせ空洞からのマイクロ波パルスの取り出しを行った。空洞のQ値が低かったのでパルス電力利得は1.2に止ったが応答時間が30n秒と短かい良好なスイッチングが行なえた。空洞のQ値を上げれば実用に近づく見通しを得た。4.最終目標であるYAGレーザー光パルス照射によるYBCO厚膜のマイクロ波スイッチングの実験を行なった。膜厚が100μmと厚いものであったためマイクロ波透過率の変化は定性的にしか検出できなかったが、電気伝導度の変化は測定出来た。現在誘導ノイズの減少に努力中でデータの質を向上させ公表したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Keizo,Kato: Japanese Journal of Applied Physics. 27. 1641-1645 (1988)
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[Publications] 高橋邦治: 第49回応用物理学会学術講演会. 104 (1988)
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[Publications] 高橋邦治: 第36回応用物理学関係連合講演会. (1989)
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[Publications] Keizo,Kato: Japanese Journal of Applied Physics. (1989)