1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850025
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西脇 信彦 東京農工大学, 工学部, 教授 (90016626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 正臣 東京農工大学, 工学部, 教授 (90108217)
|
Keywords | 射出成形 / 金型 / プラスチック / パルス反射法 / 超音波 |
Research Abstract |
62年度の研究では、プラスチックの音速は温度・圧力依存性があること、結晶性プラスチックの場合には音速が結晶化度の影響を受ける可能性があること等が明かとされた。そこで本年度は前年度の研究に引き続き、超音波による射出成形金型内プラスチックの温度や充填状態等を検出する方法を確立するために、実際の射出成形機を使い実験的研究を行った。その結果以下のような事が明かとなった。(1)射出成形機における高密度ポリエチレンの実験では、樹脂内部での固相、液相の音響インピーダンスの違いによって、固、液界面からの反射波形を確認することができた。(2)結晶化度を考慮にいれた音速と温度と圧力の関係より求めた平均音速と反射波形より得られた平均音速は、ほぼ一致する。(3)前述の(1)、(2)の結果より、金型キャビティ内の高密度ポリエチレンの温度分布を推定することができる。(4)ポリスチレンのような温度分散を持つ樹脂では、上記の方法で温度及び温度分布を求めることが困難であることが明かとなった。(5)金型とプラスチックの境界面での第2表面波の振幅、すなわち透過率は、射出圧力や保圧より金型とプラスチックとの密着及び充填状態に依存しており、しかも金型の表面温度の影響を受ける可能性があることが明かとなった。従って、金型とプラスチックの境界面での第2表面波の振幅の変化、すなわち透過率の変化を見ることによって流動及び充填状況と金型とプラスチックの密着状態を検出することができる。(6)金型内のプラスチックの流動状態を可視化した結果、一般に使用されている圧力センサーよりも、超音波を使って透過率の変化を検出した方が、より速やかプラスチックの流入状態を検出することができる事が明かとなった。また同様に、充填状態も検出できることが明かとなった。以上のように、超音波を使って金型内樹脂の温度や流動・充填状態、金型とプラスチックの密着状態を検出できることが明かとなった。
|
Research Products
(1 results)