1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850031
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石橋 彰 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80037720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江副 覚 佐賀大学, 理工学部, 助手 (30039292)
穂屋下 茂 佐賀大学, 理工学部, 講師 (70109221)
田中 成忠 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50037834)
|
Keywords | 歯車 / 研削歯車 / 精密歯車 / 騒音 / 歯車精度 / 歯車試験機 / 振動 / 歯面粗さ |
Research Abstract |
歯車は、その加工精度を高くすれば、振動・騒音が減少し、また負荷能力が向上することはよく知られているが、その限度が明らかでない。本研究では、現在世界で市販されている精密研削盤で生産的に加工された精密歯車よりも精度の高い歯車を試作研削盤で製作して、歯車の振動と騒音の低減と負荷能力向上の程度を追究した。超精密歯車の歯面の負荷能力は、精密歯車よりも50%以上高くなる。この負荷能力の向上は、歯車のビッチや歯形精度など、規格に定められた精度を精密級(JIS零級)から超精密級(JIS、MI級以上)にしたことよりも、歯面粗さを小さくして、鏡面研削歯面(粗さ、Rmax=0.2μm以下)にしたことによる効果であると推定された。ただし、歯車の精度がある限度以上になれば、主として歯面粗さの影響が表われるという実験結果は、試験歯車(歯幅10〜20mm)で得られた結果であるので、その結果の解釈が重要となる。たとえば、大形に応用する場合には、寸法効果などの影響を十分考慮すべきである。超精密歯車の歯面の負荷能力は、筆者らが設計製作した従来型の動力循環式歯車耐久力試験機で調べることができた。しかし、歯車の振動と騒音は、この従来型の試験機では、動力循環歯車の影響が拡大されて表われるので、正確な実験が行なえないことがわかったので、本研究のため新しい歯車運転性能試験機(石橋彰,特願昭63ー197043)を設計製作した。この試験機に組込む試験歯車としては、従来の標準歯車のほかに高歯の歯車も設計製作した。円周荷重と回転数を変化させて、歯車の振動と騒音を測定して、高速フーリエ解析装置で各周波数成分に対する強度分布を調べた。歯車の振動と騒音を低減する有力な手段は、歯車精度の向上であるが、歯形と歯すじのかみあい率の影響も著しく大きいことが分った。歯形修正の影響も大きいが、この点に関する詳細な研究は、来年度に行なう予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 石橋彰: 機械の研究. 40. 33-39 (1988)
-
[Publications] 田中成忠: Proceedings of International Conference on Glaring(Zhengzhon,China). 2. 787-790 (1988)
-
[Publications] 石橋彰,田中成忠,江副覚: JSME International Journal.