1988 Fiscal Year Annual Research Report
垂直記録式磁気テープ用高速スパッタ装置の開発に関する研究
Project/Area Number |
62850054
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology. |
Principal Investigator |
直江 正彦 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 茂樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (60180246)
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Keywords | スパッタリング / 磁気テープ / 高密度磁気記録媒体 / 垂直磁気記録 / 低温 / 高速薄膜形成技術 / ミラートロン放電 |
Research Abstract |
ハイビジョン用デジタル記録を目指す超高密度垂直磁気テープ媒体を実現するためには、際立った垂直磁気異方性を現わすCoーCr薄膜を高分子基板上に極短時間でしかも良好な構造・品質・磁気特性を損うことなく堆積させる技術の開発が急務となった。前年度、本研究において設計・試作した磁気テープ作製用対向ターゲット式スパッタ装置は、ターゲット間に印加する磁界が200Oe程度と大きく、しかもターゲットと基板との距離を大きくしているため、基板および堆積中の薄膜の表面付近が完全にプラズマの影響を抑制された構造になっているため、高分子基板を変質したり過熱したりすることがなかった。昭和62年度でほぼ目標レベルの高速度化は実現したが、最近さらに高品質の膜に対する要求が強くなってきたので、得られた成果をもとにさらに装置に改良を加えて動作Ar圧力を大幅に低減し、しかも安定なミラートロン型グロー放電を維持できるようにして、膜中のAr含有量を減らし飛来粒子のエネルギーを高めることによってCoーCr結晶子のC軸配向性を改善することができた。またスパッタ粒子の基板への斜め入射によるC軸傾斜の問題が致命的であったが堆積領域を狭スリットの垂直入射部と広スリットの高速堆積部の2つに分けることによってC軸傾斜を防止し、しかも高速堆積のメリットを損うことなく膜形成できる技術を確立した。さらに超高速スパッタ膜の構造を明らかにし、垂直磁化膜としての磁気特性の測定を行なった。また垂直磁気記録テープとしての基本的諸特性(周波数特性、走行性、耐久性等)の評価を行なうと共に、新しい垂直記録式テープの定量的評価基準を設定し、サンプルテープの試作を行なって実用特性を調べたところ、このテープは細部の条件調整により特性がさらに改善されることが明らかとなり、このスパッタ装置が垂直磁気記録テープの製造に実用できることが確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiro NIIMURA: Materials Science and Engineering. 98. 53-56 (1988)
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[Publications] Masao NAGAKUBO: Materials Science and Engineering. 99. 23-26 (1988)
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[Publications] Shigeki NAKAGAWA: Mat.Res.Soc.Symp.Proc.122. 599-602 (1988)
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[Publications] Takashi KAWANABE: IEEE Trans.on Magn.24(6). 2721-2723 (1988)
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[Publications] Yoichi HOSHI: IEEE Trans.on Magn.24(6). 3015-3017 (1988)
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[Publications] Akimitsu MORISAKO: IEEE Trans.on Magn.24(6). 3024-3026 (1988)