1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ接合2次元電子プラズモンを用いた高輝度FIR発光素子の試作研究
Project/Area Number |
62850056
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 猛 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80153617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 達哉 シャープ中央研究所第7研究部, 研究員
富田 孝司 シャープ中央研究所第7研究部, 課長
桜井 武 シャープ中央研究所超LSI基礎研究センタ, 所長
斗内 政吉 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40207593)
藤原 康文 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10181421)
|
Keywords | ヘテロ接合 / FIR / 実空間遷移 |
Research Abstract |
前年度までの実験により、AlGaAs/GaAs選択ドープヘテロ接合の界面に沿う2次元電子流に表面プラズモンを有効に励起できることや、それに金属回折格子を付すことにより、FIR光を放射させ得ることが判った。これまでに波長が200〜400ミクロンの範囲で最大出力が30μW/cm^2に到達した。 発光出力強度を高めるには2次元電子流をホットエレクトロン状態に押しやればよい訳であるが、高電界の印加にともなって2次元電子系のコンダクタンスに非常に低い周波数の振動が発生することが初めてわかった。この振動は、ヘテロ接合を構成するAlGaAs層のAlAsモル比が0.4以上であらわれ、モル比を高めると一層発生しやすくなるのであった。 今年度は、この2次元電子プラズモンを用いたFIR発光素子の安定動作を実現するために、チャネルコンダクタンスの振動が発生するメカニズムの解明を行うための研究に焦点を絞った。我々のこれまでの研究により、AlAsモル比の高いAlGaAs層では、DXセンタと呼ばれる深いトラップに電子の実空間遷移する確率が高く、またトラップの開始される電界強度も低下することが知られている。この事実にもとずいて、チャネル内に不均一に電子トラップが起るとしたモデルを設定すると、シミュレーション結果は実験事実をよく説明した。 以上の成果により、安定なFIR光源を実現するには、極めて均一性の高いAlGaAs/GaAsヘテロ接合の準備が不可欠である、という指針が得られた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] T.Kobayashi: Solid State Electronics. 31. 603-606 (1988)
-
[Publications] 高橋哲郎: 電子情報通信学会 電子デバイス研究会 技術報告書. EDー88. 1-7 (1988)
-
[Publications] T.Takahashi: Journal of Applied Physics.