1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松山 公秀 九州大学, 工学部, 助教授 (80165919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊福 茂 九州大学, 工学部, 助手 (00037780)
林 信夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90011585)
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Keywords | 磁性記憶素子 / 垂直ブロッホライン / 磁壁 / バブル磁区 |
Research Abstract |
ブロッホラインメモリにおける各機能動作の整合性及び記憶密度の向上に関する理論と実験の両面からの検討を行い以下の成果を得た。 1)ストライプ磁区の初期化;ストライプ磁区の伸張方向が外部面内磁界により制御できることを見出した。この性質を利用することにより、ストライプ磁区を広いバイアス磁界範囲でグルービングパタンの周りに安定化させメモリ領域の初期化を行うことに成功した。 2)バブル磁区の転送;バブル磁区の転送に方向性を与えるための磁性膜パタンとして保磁力の大きな面内磁化CoPt膜パタンを用いる新しいバブル転送路を提案した。計算機シミュレーションにより、パタン形状、CoPt膜パタンの磁気特性等について検討を行い、これをもとに転送路を試作し評価実験を行った結果、バイアス磁界の14%の実用的な転送特性が得られた。転送路の試作にあたっては、より高記憶密度の素子への適用性を考慮し、精密な目合わせを要しない新しいパタン形成プロセスを用いた。本転送路において、バブル磁区が転送可能なバイアス磁界範囲は上記1)の方法により初期化されたストライプ磁区の安定存在範囲にあり、メジャー・マイナー方式によるブロッホラインメモリ実現への見通しが得られた。3)磁壁消滅過程の計算機シミュレーション;磁小磁区幅磁性ガーネット膜(磁区幅0.5μm)における磁壁消滅過程の計算機シミュレーションを行った結果、磁壁構造の違いにより磁壁消滅特性に差が有ることが分った。このことは微小磁区幅材料においても磁区切断によるVBLの読み出しが可能であることを示唆している。 4)VBLの転送;バイアスパルス磁界の波形とVBLの転送特性との関係について系統的に実験を行なった。この結果、パルスの立ち上がり時間と立ち下がり時間との大小関係によりVBLの転送方向が反転することが明かとなり、同一極性のパルスによりVBLの双方向転送が可能であることが確認された。
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