1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850086
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐伯 昇 北海道大学, 工学部, 助教授 (80002004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 和紀 北海道大学, 工学部, 助手 (60187474)
高田 宣之 北海道大学, 工学部, 助手 (30001225)
藤田 嘉夫 北海道大学, 工学部, 教授 (10001067)
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Keywords | 高性能コンクリート / 氷海域 / 凍結融解 / 腐食 / 低温脆性 |
Research Abstract |
石油エネルギーの調査、生産あるいは漁業資源の保護、育成に伴い、寒冷地あるいは氷海域においてコンクリート構造物の建設が多くなされようとしている。これらの環境条件はコンクリートにとって最も厳しい環境条件であり、凍害、海水作用、腐食、あるいは低温下の力学的性状などまだ未解決の問題がある。本研究ではこれらの環境条件に耐える高性能のコンクリートの開発を試みたもので次の3つの分担から成っている。 1.海水作用を受けるコンクリートの耐凍害性の向上 コンクリートの劣化は特に飛沫帯、汀線部において激しく、この部分の環境をシュミレートした実験によって凍害の劣化状態を観察した結果、耐凍害性を確保するためには水セメント比を45%程度にすること、シリカフューム、高炉スラグ微粉末を用いる場合、混合量を適当に混入することによって有効であること、セメント量をある一定以上に確保することが必要であることがわかった。 2.海水環境下のコンクリートの鉄筋の腐食に対する抵抗性の向上 腐食のモデル実験によりシリカフュームの混入により、水密性の向上と鉄筋周りの緻密化により、鉄筋の腐食の発生、進行を抑えられること、また設計上では、鉄筋応力に対応してかぶり厚さを大きく取ること、かぶりコンクリートの品質が防食に対して重要であることなどがわかった。 3.コンクリートの低温脆性に対する抵抗能力の向上 コンクリートスラブの衝撃実験を行った結果、低温下で応力波の伝播が早くなること、衝撃上面のくぼみによる損傷は低温下で小さくなるが、裏面の剥離は常温とあまり変わらないことなどがわかった。
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[Publications] 佐伯昇: コンクリート工学年次論文報告集. 10. 563-566 (1988)
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[Publications] N.Saeki: American Concrete Institute. spー109. 163-177 (1988)
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[Publications] 佐伯昇: セメント技術年報. 42. 235-238 (1988)
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[Publications] 杉山隆文: 土木学会北海道支部論文報告集. 45. 623-628 (1989)