1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850087
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮本 文穂 神戸大学, 工学部, 助教授 (10093535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 強 兵庫県土木部道路建設課, 主査
梶谷 義昭 兵庫県吉川町役場, 技監
宮川 豊章 京都大学, 工学部, 助手 (80093318)
藤井 学 京都大学, 工学部, 教授 (30031074)
西村 昭 神戸大学, 工学部, 教授 (00031039)
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Keywords | コンクリート橋 / 耐用性診断 / エキスパートシステム / 安全性評価 / 現場実験 / システムアイデンティフィケーション / 主観的あいまいさ / 基本確率 |
Research Abstract |
本研究は、コンクリート橋の維持管理の基本フロー「調査」→「診断」→「補修・補強」において、「診断」の位置付けを、「損傷程度(健全度)は?」「余寿命はあと何年?」「あと10年もたすための処置は?」という、橋梁管理者の最も関心のある点に明確な回答を準備することであると定義し、これらの出力が可能なエキスパートシステムの構築を最終目標として設定し、これに必要となる種々の検討を行なったものである。従来より、このようなある意味での工学的(技術的)決定問題の現実は、いわゆる工学的判断の名のもとに、経験豊富な専門家の判断にゆだねられる場合が多く、診断結果及びその後の処置に主観的あいまいさが支配する部分が含まれることが避けられなかった。この点の解決策として、次のような2つのアプローチが試みた。すなわち、一つは、専門技術者等の有する主観的要素を合理的に処理していこうとする、いわゆるシステム化手法の応用であり、他の一つはあくまで客観的な評価・判定を行う手法の確立を追求するものである。前者に対しては、診断過程に存在する検査者、専門家の主観的あいまいさの抽出、定量化を、橋梁診断の専門家への広範なアンケート調査結果に立脚して行い、主観の取扱い及び知識べースの構築を実行することにより、これらの橋梁診断過程における資料不足、知識・経験不足を認めた上で、検査結果より得られる定性的・定量的情報の組合せにより総合的耐用性診断を可能とするコンクリート橋診断エキスパートシステムの開発を試みた。一方、後者に対しては、従来より実橋に対して適用してきた現場非破壊試験法を実施し、TLー20荷重に対する曲げ及びせん断破壊安全率を指標とした安全性評価を行うとともに、主桁破壊試験、及び主桁構成材料試験を実施して、その評価結果を耐荷力及び耐久性の両面から検証することにより、合理的な安全性評価のための現場試験法を確立した。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 西村昭: 土木学会研究討論会資料. 5. 8-10 (1987)
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[Publications] 宮本文穂: 構造物の安全性及び信頼性(JCOSSAR'87)論文集. 1. 225-230 (1987)
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[Publications] 宮本文穂: 構造物の安全性及び信頼性(JCOSSAR'87)論文集. 1. 219-224 (1987)
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[Publications] 宮本文穂: 建設工学研究所報告. 29. 73-108 (1987)
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[Publications] 宮本文穂: 建設工学研究所報告. 29. 109-133 (1987)
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[Publications] A.Miyamoto: Proc.of Second Inter.Colloquium on Concrete in Developing Countries. 1. 31-45 (1988)
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[Publications] 宮本文穂: コンクリート構造物の寿命予測と耐久性設計に関するシンポジウム論文集. 1. 85-94 (1988)
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[Publications] 宮本文穂: コンクリート構造物の寿命予測と耐久性設計に関するシンポジウム論文集. 1. 71-78 (1988)
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[Publications] 宮本文穂: 第10回コンクリート工学年次論文報告集. 10. 75-80 (1988)
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[Publications] 宮本文穂: 第10回コンクリート工学年次論文報告集. 10. 81-86 (1988)
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[Publications] 宮本文穂: コンクリート工学. 26. 61-71 (1988)
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[Publications] 宮本文穂: コンクリート工学. 26. 43-50 (1988)