1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850094
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐伯 浩 北海道大学, 工学部, 教授 (30001209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 健一 岩手大学, 工学部, 教授 (10001140)
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Keywords | 氷荷重 / 氷圧力分布 / 摩擦力 / 海氷による摩耗 / 構造物の振動 / 氷の透水係数 / ケーソン型構造物 / 海氷 |
Research Abstract |
佐伯は、大断面の直立海洋構造物に作用する氷圧力の分布形状に関して詳細な実験を行ない、円筒面に作用する3分力の分布形を明らかにするとともに、面に作用する摩擦応力を求め、材料表面の摩擦係数より求まる理論摩擦力との比較を試み、実験の妥当性を確かめている。また、この摩擦力によって起こる、氷盤移動に伴なうコンクリート表面の摩耗についても詳細な実験を行ない、コンクリートの摩耗量が、氷盤の移動距離、氷温それに摩擦力に比例することを明らかにし、コンクリートの強度や骨材の違いには影響されないことを明らかにした。さらにケーリン型海洋構造物の中詰材凍結による内圧増加についても実験を行ない、海氷の場合、氷板の透水係数が大きいため1〜2気内程度しか上昇しないこと、中詰材表面と〓コンクリートの間に相変化に伴なう体積増加量に担当するクリアランスをとれば良いことを明らかにした。さらに氷盤の継続的破壊に伴なう構造物の振動性状については、特にアスペクト比の小さい場合が問題となるためのアスペクト比1〜3の条件で実験を行ない、その結果、氷盤の破壊周期は氷盤の移動速度に強く依存することと、構造物の固存振動数近傍で、氷盤の移動速度、アスペクト比に関係なく最大の変位を示することを明らかにした。 平山は、北半球における結氷海域である北部オホーツク海、ベーリング海、北極海における結氷期間、氷厚、氷脈それに多年氷の有無等の膨大な資料をまとめるとともに、設計に必要な氷象条件を決定した。さらに、海氷の一軸圧縮強度と曲げ強度について標準強度試験方法を確立するとともに、氷温、グレイン径、ブライン量それに試験時の応力速度とそれら強度の関係を明らかにした。
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[Publications] 佐伯浩,佐々木広輝,山下俊彦,小野敏行,田中祐人: 第35回海岸工学構演会論文集. 35. 722-726 (1988)
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[Publications] 伊藤喜栄,吉田明,佐々木広輝,後藤克人,佐伯浩: 第4回寒地技術シンポジウム論文集. 4. 297-305 (1988)
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[Publications] 佐伯浩,後藤克人,小野敏行,山下俊彦,エイジ・L・スエナガ: 第4回寒地技術シンポジウム論文集. 4. 306-313 (1988)
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[Publications] 泉洌,佐伯浩,後藤克人,浜中建一郎: 第4回寒地技術シンポジウム論文集. 4. 322-329 (1988)
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[Publications] 平山健一,笹本誠,斉藤巧,前田智春,坂本典正: 海洋開発論文集. 4. 87-92 (1988)
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[Publications] K.Hirayama;N.Sasamoto;N.Takeuchi;M.Sakamoto;I.Obara: Proceedings of the 9th International Symposium on Ice,IAHR. 1. 405-414 (1988)