1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅干野 晁 東京工業大学, 大学院総理工, 助教授 (50108213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 行美 英弘精機, 技術部, 技術部長
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Keywords | 屋外熱環境 / 日射量 / 平均放射温度 / 気温 / 風向 / 風速 / 熱環境計測装置 / グローブ温度計 |
Research Abstract |
屋外において周囲からの全日射量、周囲の平均放射温度、気温、風速の4つの熱環境要素を同時に測定できる『屋外熱環境計』に関して、その実用化を計るための改良を試み、その検討結果を示した。本研究で得られた知見をまとめると以下のようになる。 1. 本装置のセンサーとしての中空球について、各熱環境要素の算出誤差が最も小さくなる球径の推定を数値計算で試みた。また、実用上のことも考慮し、最適な半径を2cmにした。 2. 以前に申請者らが開発した装置にもう一個の表面仕上げの異なる中空球を加えることを提案し、装置の試作を行なった。4球の球心温度のみで4つの熱環境要素を求める方法について、各熱環境要素の算出誤差に関する数値シミュレーションを行った。しかし、この方法の算出誤差は従来の方法より大きくなってしまうことを確認した。 3. このため、4球の球心温度に加えて気温または風速の測定値を用い、他の3つの熱環境要素を算出する方法を考え、この二つの方法について同様の数値解析手法によって比較した。その結果、気温を測定する方法より風速を測定する方が有効であることを明らかにした。 4. 風速の測定を加え、4中空球を使用した装置の性能について実験によって検討した。気象要素が安定している外界条件のみならず、非常に不安定な場合を除けば非定常状態においても、本装置によって得られる全日射量および気温の精度は、それぞれ25kcal/hm^2と1.2℃以内である。また、日射の極端な変化に対する応答時間は2分前後であることを屋外模凝実験によって明らかにした。 5. 本研究ではさらに、データ収録システムの開発やキャリブレーション手法の確立を今後の課題としたい。
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[Publications] 梅干野晁,何江,木村剛久: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 905-906 (1987)
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[Publications] 梅干野晁,何江,三宅行美: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 701-702 (1988)
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[Publications] 梅干野晁,何江: 日本建築学会計画系論文報告集. 第388号. 29-37 (1988)