1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850120
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 安俊 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (40005236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前園 明一 真空理工, 取締役社長
伊藤 義孝 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (70016822)
丸山 俊夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20114895)
阿竹 徹 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30028229)
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Keywords | 熱容量分光法 / 非晶質材料 / ガラス転移 / 緩和機構 / 液晶材料 |
Research Abstract |
昨年度は、断熱型熱量計としても使用できる熱量計の設計、交流加熱法により熱容量を測定するための回路系の設計および製作、白金細線をプローブとする方式についての予備実験、さらに液晶材料におけるガラス転移現象についての調査などを行ってきた。 本年度は、液体ヘリウム温度から高温に至る広い温度範囲にわたって作動するクライオスタット本体およびその高精度温度制御装置を製作し、動作テストを行った。測定回路系については、同一の特性を持つヒーター兼測温センサーを2つ直列に配置することにより、測定系の単純化と自動化が容易にできることを見いだし、測定系の改良を進めた。測定を自動的に行うために、GP-IBインターフェイスを用いるマイクロコンピュータ自動測定システムを完成した。またヒーター兼測温センサーとして細線を用いる方法を確立するとともに、さらに直接的な情報を得ることが可能な2次元蒸着膜プローブを真空蒸着法(ニッケル、金)あるいは高周波スパッタリング法(金、白金)により製作し、この方法について詳細な検討を行った。2次元蒸着膜を用いることにより、熱容量と熱伝導率の積を1Hz〜数kHzの周波数範囲で定量的に測定することができることを確認した。一方、細線法は定性的ではあるが、安定した測定が可能であり、精度も高いことを明らかにした。こうして完成した装置の動作テストを行い、熱容量分光法を総合的に検討するために、グリセロールのガラス転移現象について実験を行った。その結果を第24回熱測定討論会で発表した。さらにこれを応用し、非晶質材料のガラス転移における緩和機構を調べる目的で液晶材料を取り上げ、ペンチルシアノビフェニルーペンチルビシクロヘキシルカルボニトリル混合系について研究を行い、その結果を金属学会昭和64年度春季大会において発表する予定である。
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Research Products
(1 results)