1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850126
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology, Faculty of Engineering |
Principal Investigator |
大橋 照男 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 隆之 東京窯業株式会社, 研究所, 主任
三輪 謙治 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (30110266)
武津 典彦 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (80029355)
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Keywords | 水素センサー / 高温型プロトン導電体 / 固体電解質 / アルミニウム / 水素分析 / 固体電気化学 / 伝導機構 |
Research Abstract |
本研究は最近日本で発見された新しいタイプのプロトン導電性固体電解質であるSrCe_<0.95>Yb_<0.05>O_<3ーδ>を電解質とした水素濃淡電池を溶融アルミニウム中の水素分析に応用するための基礎研究である。本年度は純水素を標準極に用い、溶融アルミニウムに浸漬する電池を製作し、比較的水素分圧の高い条件と、実際操業に近い大気中の条件との二つの条件で起電力の測定を行いその性能を調べた。水素分圧の高い条件での測定では700℃で数時間の間は安定した起電力が得られ、雰囲気の水素分圧を変化させるとそれに対応して起電力は明瞭に変化し、その値は電極に多孔質白金膜を用いた場合とほぼ同じ値で、プロトンの輸率を1とみなした場合の理論値とよく一致することが確かめられた。一方、大気中で同じ電池を溶融アルミニウムに浸漬した場合には、起電力は1気圧以上の高い水素分圧に対応する負の値を示し、またその値の変化も不明瞭で再現性にも乏しいことが認められた。本電解質は高温においては酸素イオン導電性を示すことが、著者らの研究によって確かめられているので、AlーAl_2O_3の低い酸素分圧の影響が考えられるが、実験結果からは、その問題以外にも界面に生じる酸化膜が測定を乱す要因となっていることが認められた。以上のことから、この電解質を溶融アルミニウム中で用いるには、非常に低い酸素分圧のもとでの伝導機構についてのさらに詳しい研究が必要であることが明らかとなった。そのため、伝導機構に関しては、新たに、低酸素分圧下での電気伝導度の測定、水素溶解量の測定、さらに、水素電気化学的透過量の測定を追加して行った。その結果、低酸素分圧下では、今までに考慮した以外の電荷担体の存在を示唆する結果が得られた。また、濃淡電池型以外の原理に基づくセンサーとして、直流分極型センサーを開発し、その性能について試験を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 武津典彦: 日本金属学会誌. 52. 310-319 (1988)
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[Publications] 武津典彦: 日本金属学会昭和62年春期大学予稿集. 1988.4. 322 (1988)
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[Publications] 武津典彦: 資源・素材学会平成元年春季大会 講演概要集. (1989)