1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神野 博 京都大学, 工学部, 教授 (40025846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾 健 京都大学, 工学部, 助手 (50115953)
宮田 昇 京都大学, 工学部, 講師 (10026221)
福谷 征史郎 京都大学, 工学部, 助教授 (40026208)
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Keywords | 気相軸付け法 / 光ファイバ母材 / 水素拡散火炎 / 反応機構 / シリカ微粒子 |
Research Abstract |
水素一酸素同軸拡散火炎中における気相軸付け法に基づくシリカ微粒子の生成に関する計算機シミュレーションを行い、その過程を主として化学反応の立場から解析した。まずこの過程を連続の式、半径方向および軸方向の運動量、熱エネルギーおよび各化学種の保存式、状態方程式からなる支配方程式で表し、これらをコントロールボリウム法によって離散化した。この火炎に生じている化学反応として、燃焼反応を9種類の化学種とその間に生じる21組の素反応で表し、さらに原料として用いた四塩化ケイ素が高い温度領域で酸素によって脱塩素されてシリカ微粒子が生成するものとしてその反応を加えた。バーナ側の境界条件として、できるだけ実際に近い条件を与え、時間依存法によって従属変数が時間的に変化しなくなるまで数値的に解いた。得られた結果をまとめると次のようになる。 (1)この火炎では燃焼反応が生じている領域とシリカ微粒子が生成する領域とはほぼ完全に分かれている。この結果は、この研究でシリカの生成反応を四塩化ケイ素と酸素との反応に限ったこととも関連するが、たとえその反応が水蒸気や水酸基との間で生じるものであっても、火炎中におけるこれらの化学種の分布を考慮すれば同様の結論に達することができる。 (2)燃焼反応は火炎の下部で集中的に起こり、ここでほとんどすべての水素が消費されてしまう。しかし余分の酸素はこの燃焼領域を取り囲むように流れ、燃焼反応が終了した後、中心軸方向に向かう流れと拡散とによって火炎の中心部に達する。 (3)火炎の中心部を流れる四塩化ケイ素はほとんど未反応のまま約20mmの高さに達した後、燃焼反応によって生成した反応熱で加熱され、同時に中心部へ移動してきた酸素と出会う。そしてほぼ20mm以上の高さの領域でシリカ微粒子を生成する。
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Research Products
(1 results)