1988 Fiscal Year Annual Research Report
イオン交換膜・電極複合体を用いた酸素センサーの作製
Project/Area Number |
62850144
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小久見 善八 京都大学, 工学部, 助教授 (60110764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金村 聖志 京都大学, 工学部, 助手 (30169552)
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Keywords | センサー / 酸素 / 溶存酸素 / SPE / プラズマ重合 / 酸素透過膜 |
Research Abstract |
検出電極、透過膜を結合させるイオン交換膜として化学的、熱的に安定なナフィオンを選び、この表面に多孔性の白金を吸着還元成長法による無電解めっきで電極として接合させてSPE電極を作製した。このSPE電極の電極表面に酸素透過層を被覆した。被覆層の作製にはプラズマ重合の手法を採用し、安定性の高い透過膜となるペルフルオロ系の膜を作製した。ヘキサフルオロプロピレンをモノマーとして用いた。膜生成のためのプラズマパラメーターの影響を詳細に検討した。その結果、RF電力10〜50W、圧力0.5〜Torr、モノマー流量2〜5ml/minの範囲で良好な膜が析出することが判った。この場合基板はプラズマ電極から約2cm離れたアフターグロー領域に置くことが望ましい。この方法によってセンサー部分の直径約1.2mmのセンサーを作製することができた。このセンサーを用いて酸素の還元電流を測定したところ、前年度のNafion膜を用いたセンサーと同様の測定結果を得た。この結果からこの方法によってさらに小型化したマイクロセンサーを作製できることが確認された。前年度と同様の膜型センサーを作製し、溶存酸素を検出する場合のセンサーの応答速度を過渡電流法によって測定した。その結果、90%応答時間は約2.5分となり、理論から予想される2〜3秒よりも著しく長くなった。その原因については現在検討中である。このセンサーを溶液中で使用するとの境界層の生成に注意する必要がある。 白金を結合させたSPE電極に厚さ10〜30μmのポリエチレンまたはポリプロピレンの膜を熱圧着によって結合させて膜型のセンサーを作製した。この膜を用いて気相中の酸素の検出を行った。その結果、0〜50%の酸素分圧の範囲で検出電流が分圧に比例した。このセンサーの安定性を調べたところ、室温で2000時間以上に亘って安定に作動した。
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