1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850147
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 明夫 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (30016711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井澤 邦輔 味の素(株), 中央研究所基礎研究部, 主任研究員
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Keywords | ダブルカルボニル化反応 / αーアミノ酸合成 / αーヒドロキシ酸合成 |
Research Abstract |
パラジウム錯体触媒存在下、アリールハロゲン化合物のダブルカルボニル化反応によりαーケトアミドおよびαーケトエステル誘導体が合成される。本研究ではダブルカルボニル化反応機構について詳細な検討を行ない、ダブルカルボニル化反応を収率よく進行させるための条件について検討すると共に、これらの化合物を効率よくαーヒドロキシ酸あるいはαーアミノ酸に誘導する方法について検討した。(1)αーケトアミドの加水分解反応によるαーケト酸の合成法について検討し、アルカリ性メタノールー水の混合溶媒中、90%以上の収率でαーケト酸を得るための条件を確立した。(2)(1)で合成されたαーケト酸はフェニルヒドラジンとの反応によりフェニルヒドラゾン誘導体とした後、パラジウム触媒を用いて水素添加することにより90%以上の高収率で対応するαーアミノ酸(置換フェニルグリシン類)に誘導された。(3)パン酵母を用いるαーケトエステルの不斉還元反応について検討し、光学活性なαーヒドロキシ酸エステル(置換マンデル酸エステル類)を90%以上の光学収率で合成した。(4)アルカリ性メタノールによりαーケト酸を還元する新反応を見出した。また、アルカリ性ホルマリン水溶液中においてもαーケト酸の還元反応が進行することを見出した。これらの新反応により種々のαーケト酸(置換ベンゾイルギ酸類)から安価な還元剤を用いてほぼ定量的に対応するαーヒドロキシ酸誘導体(置換マンデル酸類)を合成できた。(5)パラジウム錯体による芳香族アルデヒドのCーH結合活性化反応を利用しαーケトアミドを合成する新反応を見出した。
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[Publications] F.Ozawa;I.Yamagami;M.Nakano;F.Fujisawa;A.Yamamoto: Chem.Lett.125-128 (1989)
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[Publications] K.Kawasaki;F.Ozawa;K.Masuzoe;A.Yamamoto: J.Oraganometall.Chem.361. C37-C40 (1989)
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[Publications] L.Huang;F.Ozawa;K.Osakada;A.Yamamoto: Organometallics.