1988 Fiscal Year Annual Research Report
無機固体を触媒とする有機合成反応の開発に関する試験研究
Project/Area Number |
62850148
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北條 卓 神戸大学, 工学部, 教授 (60031043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神鳥 安啓 神戸大学, 工学部, 助教授 (10135816)
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Keywords | アルデヒドヒドラゾンのトリフルオロアセチル化 / 含フッ素αージケトン / 含フッ素ピペラジン / 含フッ素キノキサリン / 含フッ素チオフェン / 含フッ素オキサジアジン / 含フッ素ナフトオキサジン |
Research Abstract |
1.各種芳香族アルデヒドのN、Nージメチルヒドラゾンはクロロホルムを溶媒に用いて、2、6ールチジン存在下、0〜20℃、1〜3時間無水トリフルオロ酢酸と反応させることにより、収率よくそのアゾメチン炭素上でトリフルオロアセチル化されることを見出した。脂肪族アルデヒドの場合にはNートリフルオロアセチル化が優先的におこるが、N、Nージイソプロピルヒドラゾンを用いると上の条件下でやはり収率よくCートリフルオロアセチル化のおこることがわかった。 2.上で合成した各種のアルデヒドヒドラゾンのトリフルオロアセチル化物は塩化第2銅の存在下リン酸緩衝液中で加水分解すると収率よく含フッ素αージケトン類RCOCOCF_3へ変換できることがわかった。このαージケトンは例えば1チレンジアミンとの反応後脱水素により容易に含フッ素ピペラジンへ、Oーフェニレンジアミンとの反応では含フッ素キノキサリンへ、ビスフェナシルスルフィドとの反応では含フッ素チオフェン誘導体へ、いずれも高収率で変換でき他法では合成し難い含フッ素ヘテロ環化合物の簡便な合成法として今後有機合成に利用できよう。 3.アルデヒドのジメチルヒドラゾンのトリフルオロアセチル化物はシリカゲル存在下室温で容易に興味ある環化反応をおこし、高収率で含フッ素オキサジアジン誘導体を与えることがわかった。一方、この反応をやはりシリカゲル存在下80℃に加熱して行うと含フッ素イミダゾールを高収率で与えることもわかった。現在この反応の機構を検討中である。 4.2、4ービストリフルオロアセチルーN、Nージメチルー1ーナフチルアミンはシリカゲル存在下に加熱すると興味ある環化反応をおこし、含フッ素ナフトオキサジン類に、かなりの立体選択性を示して、変換されることもわかった。この新しい環化反応の機構および立体選択性の向上さらにこの反応の応用について、現在検討中である。
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[Publications] Masaru Hojo: Tetrahedron Lett.29. 4599-4602 (1988)
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[Publications] Masaru Hojo: J.Org.Chem.53. 2209-2213 (1988)
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[Publications] Yasuhiro Kamitori: J.Org.Chem.53. 519-526 (1988)
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[Publications] Yasuhiro Kamitori: J.Org.Chem.53. 129-135 (1988)
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[Publications] Masaru Hojo: Tetrahedron Lett.28. 6199-6200 (1987)
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[Publications] Masaru Hojo: Synthesis. 1013-1014 (1987)