1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850152
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
〓谷 信三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50027900)
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Keywords | アイオネン / ポリカチオン型エラストマー / 機能性エラストマー / フォトクロミズム / フォトメカニカル効果 / エレクトロクロミズム |
Research Abstract |
ポリマー主鎖にカチオンを有するアイオネン型エラストマーPTIおよびPTVを合成し、その物性を検討した。ここでPTIはカチオン点が脂肪族アンモニウム塩タイプ、PTVはビオローゲンジカチオン型のものである。PTIはその溶液物性、力学的性質、ガス透過性などについての研究をほぼ完了した。今年度に入ったPTIの接着性についての検討を開始した。水分透過性があり、弾性に富みしかも引張強さの大きいフィルムとなることから、創傷被覆材としての応用の可能性に着目して生体医用材料としての評価を行っている。皮膚との接着性のモデルとしてベークライトを選び、ベークライト基板との接着性が極めて優れていることが判用しつつある。接着性のコントロールを行うために、PTI合成の条件を変えて組成の異ったものの接着試験が進行中である。PTVは対アニオンが臭素のものについて力学的性質およびフォトクロミズムの検討を行った。両者を結びつけた性質ともいうべきフォトメカニカル効果も観測された。さらに新しい機能としてエレクトロクロミズムの観測を行った。しきい値6ボルト以上の直流電圧の印加により無色から青ないし紫色への変化(クロミズム)が観測された。応答速度(電場印加から発色までの時間)はフィルム厚に大きく依存し、百ミクロン程度のフィルムでは数十分を要したが、発色の繰り返しについては五十回の繰り返しに耐えることが判明した。エレクトロクロミズムについてさらに検討を行う予定である。対アニオンとして塩素イオンを有するPTVについてフォトクロミズムの測定を行った所、臭素対アニオンのものより優れた特性を有していることが明らかとなった。そこで、フォトメカニカル効果を中心として力学的性質と関連させた検討を続行している。フォトメカニカルについて応用面の可能性についても、何らかの研究を行う必要があると考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Yamashita: J.Appl.Polym.Sci.35. 1927-1935 (1988)
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[Publications] Y.Ikeda: Polymer J.20. 273-276 (1988)
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[Publications] S.Kohjiya: Makromol.Chem.,Rapid Commun.10. 9-12 (1989)
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[Publications] S.Kohjiya: Mat.Res.Soc.Symp.Proc.