1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62850162
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
酒井 清孝 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 真吾 医療法人善仁会横浜第一病院, 研究部, 研究室長 (30171630)
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Keywords | 水蒸気透過流束 / 温度分極層 / 濃度分極層 / 曲路率 |
Research Abstract |
当初の研究計画に従い実験を行った結果、昭和63年度の研究目的はおおむね達成された。すなわち、PTFE膜を用いた撹拌型回分式平膜装置により温度および濃度分極層を検討すること、ならびに試作PTFE膜中空糸モジュールを用いて、膜蒸留法により牛血漿および牛血液からの除水について十分な成果を挙げることができた。その結果、得られた知見を以下に示す。 (1)PTFE膜を用いた撹拌型回分式平膜装置において水蒸気透過流束に対する温度分極層の影響を境膜伝熱係数を用いて解折し、その透過機構のモデル化に成功した。温度分極層を完全に破壊したときの膜の水蒸気透過係数は、膜の構造因子である空孔率と膜厚の比に比例することが明らかとなった。膜の水蒸気透過係数を空孔率と膜厚の比に対してプロットした傾きからPTFE膜の曲路率を求めたところ、1.27という妥当な値が得られた。 (2)撹拌型回分式平膜装置を用いて牛血液および牛血漿の濃度分極層の発達による膜面蛋白質濃度を検討した。その結果、濃度変化に伴う温度分極層の変化が無視できないため、限外濾過におけるゲル分極モデルが完全に適用できないことが明らかとなった。 (3)膜蒸留用のPTFE膜中空糸モジュールの開発に成功し、牛血漿および牛血液からの除水において良好な結果が得られた。 (4)試作PTFE膜中空糸モジュールにおいて、透過側に空気を用いた場合、水蒸気透過流束は空気温度に依存しないことが解った。空気ー液系の膜蒸留では、空気側および液側の膜面近傍に温度および濃度分極層が存在しないことが解った。透過側に空気を用いることにより液ー液系の膜蒸留よりもエネルギー効率が大幅に向上することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sakai,K: Chem.Eng.J. 38. B33-B39 (1988)
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[Publications] Sakai,K.: J.Mem.Sci.10. 3-17 (1987)
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[Publications] Takesawa,S.: Nephrol.Dial.Transplant.1. 254-257 (1987)
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[Publications] Takesawa,S.: Trans.ASAIO. 33. 584-587 (1987)
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[Publications] Sakai,K.: Trans.ASAIO. 32. 397-400 (1986)
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[Publications] Sakurai,H: Trans.ASAIO. 32. 410-413 (1986)