1988 Fiscal Year Annual Research Report
生体高分子の表面吸着に関する研究のための光プラズマ装置の試作
Project/Area Number |
62850163
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
濱渦 允紘 沼津工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (50124037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美崎 英生 東洋醸造, メディカル事業部, 技術研究部員
藤井 忠代 東洋醸造, メディカル事業部, 技術研究部長
蓮実 文彦 沼津工業高等専門学校, 工業化学科, 講師 (90164805)
小松 弘昌 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10043142)
清水 俊夫 弘前大学, 教養部, 助教授 (00110750)
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Keywords | 表面プラズモン共鳴吸収 / 表面吸着 / 吸着層の厚さ / 生体高分子 / イオン性界面活性剤 / パソコンによる自動測定化 |
Research Abstract |
1.昨年度に製作された新装置のパソコンによる自動測定化を完了し、データ解析のためのプログラムをほぼ完成させた。 2.新装置の光軸系の調整を行い、銀および金に対して理論的に予測される共鳴吸収の振舞いと実測のそれとのほぼ厳密な一致が得られるようにした。 3.銀の蒸着膜はハロゲンとの反応性が高いために塩化ナトリウム等の塩溶液での測定は不可能であり、吸着状態への添加塩効果を調べることができなかった。この問題を解決するには蒸着膜の材質を金にすればよいのだが、金の蒸着膜は水中で容易に剥離する。高性能の真空蒸着装置を使用し、蒸着時の基板温度を90℃に保つ等の工夫によって、水中でも剥離しない付着力の強い金蒸着膜の作製に成功した。 4.無塩系における陰イオン性界面活性剤(SDS)の金表面への吸着には、疎水相互作用によってアルキル鎖が直接吸着していると考えられる、洗浄によっても離脱しない不可逆吸着層と、その上に吸着し容易に離脱する可逆吸着層の2種類の形態が認められた。吸着層厚は各々40.57〓であり、それらは各々濃度2.5、5.5mmol/kgで飽和する。20mmol/kg程度の塩化ナトリウムの添加によって、厚さ50〓前後の不可逆層だけになり、飽和濃度は4mmol/kgに低下する。これは、添加塩の静電遮蔽効果によって静電反発力が弱められた結果である。 5.陽イオン性界面活性剤(DTBr)の吸着は0.8mmol/kg付近で飽和し、吸着層厚は6.5〓であった。DTBrでは添加塩効果は認められなかった。水中で負に帯電し同時に疎水性の金表面にDTBrが横倒しの形で強く吸着しているからであると説明される。
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