1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62860002
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
堀江 武 京都大学, 農学部, 教授 (90181528)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊五沢 正光 岩手県農業試験場, 技術部, 専門研究員
田中 英彦 北海道立上川農業試験場, 水稲栽培科, 研究員
中川 博視 京都大学, 農学部, 助手 (90207738)
大西 政夫 京都大学, 農学部, 助手 (80185339)
中野 淳一 京都大学, 農学部, 助教授 (20032641)
|
Keywords | 水稲 / 発育 / 予測 / モデル / システム / リアルタイム / 発育速度 / 動態 |
Research Abstract |
1.主要水稲品種の発育パラメ-タの決定および発育動態予測モデルの構築 わが国の各地域を代表する計12品種の水稲を、北海道上川から九州宮崎にわたる全国5ケ所で過去2年間に比較栽培して得られた、各々の品種の発育と環境との関係に関するデ-タのシステム解析を行い、それぞれの品種の出芽から、幼穂分化、出穂を経て成熟にいたる発育過程を温度と日長の経過から動的に推定し、予測するモデルを開発した。この出芽からスタ-トして発育過程を予測するモデルでは、育苗時の環境や育苗技術の違いがその後の発育を大きく左右していることがわかり、予測精度にも限界のあることが明らかになった。そこで移植時の葉令から移植時の発育指数DVIを推定し、本田移植時より発育を予測する方法を導入し、かつ移植から幼穂分化までは気温の代りに推定水温を用いるモデルを開発したところ、すべての地域で全品種とも幼穂分化期や出穂期が、環境の経過から2〜3日の誤差範囲内で予測できることがわかった。これより、本研究において開発された、12品種の水稲の発育過程を動的に予測するモデルは、生産現場にも十分適用可能と考えられる。 2.水稲の発育動態予測システムの開発と実証 気象センサ-とオンラインで結んだコンピュ-タシステムに、上で開発したモデルと各地の平年気象値に関するデ-タベ-スを組込むことにより、水稲の発育過程を生育各時点までの環境の経過から把握し、その後の発育の予測値を出力するシステムを開発した。このシステムの有効性の検証試験を京都大学農学部附属農場で行い、当初の計画どおり機能することを確認し、日本作物学会において公表を行った。 3.研究成果の公表 過去3年間の本研究の成果を報告書にまとめ、関係機関に公表した。
|
-
[Publications] 堀江武: "生育診断予測の意義と方法" 日本作物学会紀事. 58. 460-465 (1989)
-
[Publications] 堀江武: "イネの発育過程のモデル化と予測に関する研究 第7報.発育動態予測システムの開発" 日本作物学会紀事. 58、別2. 29-30 (1989)
-
[Publications] 堀江武: "イネの発育過程のモデル化と予測に関する研究 第1報.モデルの基本構造とパラメ-タ推定法および出穂予測への適用" 日本作物学会紀事.
-
[Publications] 中川博視: "イネの発育過程のモデル化と予測に関する研究 第5報.窒素・施肥が発育に及ぼす影響の実験的解析" 日本作物学会紀事. 58、別7. 18-19 (1989)
-
[Publications] 中川博視: "イネの発育過程のモデル化と予測に関する研究 第6報.栄養生長相と生殖生長相の日長感応性の品種間差異の実験的解析" 日本作物学会紀事. 58、別1. 20-21 (1989)