1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62860006
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
石橋 信義 佐賀大学, 農学部, 教授 (30039333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤條 純夫 佐賀大学, 農学部, 教授 (50011911)
廿日出 正美 静岡大学, 農学部, 助教授 (40091152)
岩花 秀典 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90038240)
三橋 淳 東京農工大学, 農学部, 教授 (90209809)
小倉 信夫 農水省林業試験場, 保護部・主任研究官 ()
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Keywords | 菌食性線虫 / 殺虫性線虫(昆虫寄生性線虫) / 土壌病害虫同時防除 / 昆虫病原性糸状菌 |
Research Abstract |
1、ビワ、エンドウなどの若芽を食害するクワゴマダラヒトリは、殺虫性線虫S.feltiaeで100%死亡した。屋久島での圃場試験ではウラジロエノキに巣網を張った若令幼虫時(10月~11月)に10,000JIII/mlを噴霧し、80%以上の駆除効果をあげた。施用法の改良が今後の課題である(果樹試)。 2、芝草鱗翅目害虫にS.feltiae施用は100万JIII/m^2でスミチオンと同程度の効果があった。コガネムシ幼虫にはスミチオン(1,000倍)、ダイアジノン(5,000倍)と混合施用し、顕著な相乗効果を認めた(静岡大)。 3、殺虫性線虫と昆虫病原性糸状菌との併用を目的に、糸状菌培地での培養を検討した。Aspergillus janusを培養した培地にサラダ油とバターを添加すると、S.feltiaeはよく増殖し感染態幼虫(JIII)の出現率も高くなった。同一培地に添加物を加える2段階培養は可能と思われる(農環)。 4、マツノマダラカミキリ成虫の卵巣または精巣に寄生するNeotylenchidae科の線虫が発見された。種の同定ならびに生物的防除の可能性を検討中である。コガネムシに特異的に寄生する本邦産殺虫性線虫クシダセンチュウの人工培養には、培地(S.feltiae用)にペプトンを加えることによって可能である(林試)。 5、線虫の殺虫機構は共生細菌による敗血症が通説であるが、線虫自体にも蛋白様毒性成分が生産され、昆虫の液性免疫機構を破壊することを明らかにした。Steinernamatidae科線虫の殺虫スペクトラムが広いのはこの理由によるものと考えられる(佐賀大)。 6、土壌病害の生物的防除剤となる菌食性線虫Aphelenchus avenaeは採集地(isolate)によって生理的差異が大きい。ビートパルプ、ビールしこみ粕等の産業副産物で大量培養が可能で、殺虫性線虫と混合しても、両者とも効力低下はみられない。混合施用により、土壌病害虫害の同時防除が可能となり、また有害線虫の増殖も抑制する(佐賀大)。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 宮路克彦・橋元祥一・柏尾具俊・氏家武・石橋信義: 九州農業研究. (1988)
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[Publications] 廿日出正美・片山晴喜・山中聡: 芝草研究. 17. 53-58 (1988)
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[Publications] ABE,Yoshihiko: Japanese Journal of Nematology. 17. 31-34 (1987)
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[Publications] OGURA,O.and Y.MAMIYA: Applied Entomology and Zoology. 24. (1989)
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[Publications] ISHIBASHI,N.,D-R.CHOI,and K.TANAKA: The 5th International Congress of Plant Pathology,Kyoto,August(Abstracts of Papers). 157 (1988)
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[Publications] 崔東魯,石橋信義,田中欽二: 佐賀大学農学部彙報. 65. 27-35 (1988)
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[Publications] 石橋信義: "遺伝:線虫利用による害虫防除(6月号)42巻6号" 裳華房, 20-24 (1988)