1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62860012
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Research Institution | Faculty of Engineering, Gunma University |
Principal Investigator |
中村 厚三 群馬大学, 工学部, 教授 (50011036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 宗雄 日本分光工業, LC技術課, 課長
吉永 文弘 味の素, 基礎研究所, 所長
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Keywords | 超臨界流体 / エステル交換反応 / ペプチド合成反応 / リパーゼ / サーモライシン / バイオリアクター |
Research Abstract |
本研究は超臨界流体の酵素反応媒体としての利用に関する研究であり、昭和62年度に行ったリパーゼによるエステル交換反応の解析、別の対象酵素反応であるサーモライシンによるアスパルテーム前駆物質の合成、そして超臨界流体バイオリアクターの開発を行った。 リパーゼによるトリグリセリドのエステル交換反応について反応スキームを仮定し、反応経過のシミュレーションを行い、実験結果と比較することによって各反応ステップの速度定数を定めた。その結果、トリグリセリドの加水分解反応と直接的なエステル交換反応の両速度定数の水分依存性が異なることなどが明らかとなった。 サーモライシンによるアスパルテーム前駆物質ZーAPMのペプチド合成反応においては、反応場のpHが収率などに顕著な影響を及ぼし、2つの基質の比率が反応結果を左右することがこれまでの研究によって明らかにされている。超臨界二酸化炭素を反応媒体とする本研究における両基質の最適な比率は、有機溶媒を反応媒体として得られている従来のものに比べ、pHの大きい側へシフトした。エステル交換反応の場合、交換反応に伴ってトリグリセリドから脂肪酸が遊離して来るが、この生成脂肪酸を反応系外に分離しつつ反応を行えば、反応効率を改善できることになる。このような反応・分離システムの構築を最終目的として、連続反応を行う超臨界流体バイオリアクター開発を行った。常温で固体である基質の連続供給の方法、反応生成物の回収方法などの工夫に努め、長時間安定して連続反応が行えるようになり、反応生成物組成に対する平均滞留時間および水分の影響を明らかにした。 今後の計画としては、超臨界流体バイオリアクターの固定化酵素の安定性、生産性を明らかにし、超臨界流体クロマトグラフィー、膜分離などと組合せた反応・分離システムについて研究を進める予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Young Min Chi: Agric.Biol.Chem.52. 1541-1550 (1988)
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[Publications] 池英〓: 化学工学シンポジウムシリーズ17「バイオリアクターとその周辺技術」. 59-64 (1988)
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[Publications] K.Nakamura: Agric.Biol.Chem.
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[Publications] K.Nakamura: Biotech & Bioeng.
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[Publications] K.Nakamura: Biotech & Bioeng.
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[Publications] K.Nakamura: "Bioproducts and Bioprocesses Supercritical Fluid Bioreactor" Springer, 257-265 (1989)