1988 Fiscal Year Annual Research Report
高感度NMR測定法の開発とその天然有機化合物構造解析への応用
Project/Area Number |
62860014
|
Research Institution | Institute of Applied Microbiology, University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬戸 治男 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (10013335)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 恵二 日本電子, 分析機器技術本部, 次長
大内 宗城 日本電子, 分析機器技術本部, 主任
今成 司 日本電子, 分析機器技術本部, 課長
永山 国昭 日本電子, 生体計測室, 室長 (70011731)
降旗 一夫 東京大学, 応用微生物研究所, 教務職員 (20219091)
|
Keywords | Time sharing gated decoupling COSY・TSD-COSY / Time sharing gated decoupling relayed-COSY / TSD-relayed COSY / Selective HOHAHA-CH / HMBC / Lvcoclavanol / Erythromycin |
Research Abstract |
本年度は、我々が開発あるいは検討した種々のNMRの新技術を応用して、複雑な天然有機化合物の構造研究を行なった。先ずHMBC(Heteronuclear Multiple Bond Connectivity)を用いることにより、トリテルペンであるlycoclavanol、ポリケタイドであるerythromycinの^<13>CーNMRの帰属を行い、HMBCが特にメチル基の多い化合物の構造研究に、特に感度および解析の容易さにおいて優れていることを示した。さらにこの手法を新規抗生物質であるcapuramycinの構造決定にも応用した。 次に、time sharing照射磁場を用いた新しい差スペクトル法である、time sharing gated decoupling COSY(TSD-COSY)およびtime sharing gated decoupling relayed-COSY(TSD-relayed-COSY)を開発した。本技術は2次元基本パルス(90°ーt_1ー90°)の第1パルスの前で、観測したいプロトンを予め選択的に飽和しておいたものと、飽和してないものを測定しその差を観測するものである。この際、我々が開発したtime sharing gated decouplingを利用して飽和することにより、選択性を著しく高めることが出来た。さらに照射磁場の強さ、展開時間の長さ等の因子が実験結果に大きく影響することを明らかにし、最適な測定を行なうための諸条件を検討した。 次いで、TSDのさらなる応用としてselective HOHAHA-CH法を開発した。この方法の開発により、非常に複雑な化合物の特定のプロトンと関係しているプロトンのスピン結合のみを、選択的にとりだすことが可能になり、プロトンシグナルの分離が悪い化合物の構造解析を効率良く行なうことが可能となった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Seto: Tetrahedron Lett.29. 2343-2346 (1988)
-
[Publications] H.Seto: Agric.Biol.Chem.52. 1797-1988 (1988)
-
[Publications] H.Seto: J.Antibiotics. 41. 1158-1160 (1988)