1988 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質の油/水分配係数の評価システムに関する研究
Project/Area Number |
62860015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 稔夫 京都大学, 農学部, 教授 (90026427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 知佐子 神戸女子薬科大学, 助教授 (20140410)
赤松 美紀 京都大学, 農学部, 教務職員 (70183134)
西岡 孝明 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80026559)
西村 勁一郎 京都大学, 農学部, 助手 (70026558)
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Keywords | 分配係数 / 油 / 水分配係数 / log P / 含窒素異項環化合物 / ペプチド / log P / 計算システム / 高速液体クロマトグラフ / log Pデータベース |
Research Abstract |
1.分配係数データの完備とlog Pの変化に関する経験則の確立。前年度に引き続き置換ピラジン、置換ピリミジンなどの含窒素異項環化合物およびオリゴペプチド類の1ーオクタノール/水系における分配係数Pを測定した。含窒素異項環化合物については1ーオクタノール/水系のみならず、クロロホルム/水系、プチルエーテル/水系など、異なる分配系に対するlog Pをも測定し、水素結合性置換基の効果をいっそう明らかにすることを試みた。また高脂溶性農薬であるピレスロイド類縁体のlog Pを、高速液体クロマトグラフ法により決定した。得られたlog Pを従属変数、分子の部分構造パラメータや自由エネルギー関係パラメータを独立変数として定量的解析を試み、log Pの変化に対する経験的関係式を導き、新しい知見を付け加えた。含窒素異項環化合物については、環窒素の存在が、置換基上での水素結合性溶媒和の挙動に重要な影響を与えることが明らかとなり、オリゴペプチドにおいては、構成アミノ酸側鎖の近接効果および水素結合能も重要であることが示された。さらに高速液体クロマトグラフ法でlog Pを決定する場合、化合物の系列により最適の移動相溶媒および溶媒比を慎重に選ぶ必要性が認められた。 2.log P評価システムの部分的構築。MDL社のMACCSシステムの入力形式を取り入れた立体構造入力を完成させ、測定したデータを分配係数データベースに入力した。log Pデータベースから、与えられた物質の化学構造に最も近縁の構造を持つ物質を検索し、それを母核物質としてlog Pを検索するアルゴリズムの作成を行なった。これには最大共通部分構造認識プログラム'MAXFIT'を利用した。今後は、log P予測システムの入力データを詳細に検討するとともに、人工知能(エキスパートシステム)を利用して、さらにこのシステムの拡張を図る予定である。
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