1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62860019
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
伏谷 賢美 東京農工大学, 農学部, 教授 (80014950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敬一 東京農工大学, 農学部, 助手 (90178723)
久保 隆文 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00015091)
高津 正治 セメダイン株式会社, 開発部, 副主任研究員
山田 哲夫 株式会社ホーネンコーポレーション, 高分子開発室, 室長
森 光正 兵庫県立工業試験場, 産業工芸部, 主任研究員
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Keywords | スロープト・フィンガージョイント / 木材 / 接着剤 / スロープ比 / 曲げ強さ / 引張り強さ / 衝撃曲げ吸収エネルギー / AE |
Research Abstract |
1.フィンガー基部を傾斜させたスロープト・フィンガージョイントの接合性能を調べるため、レゾルシノール・フェノール共縮合樹脂、エポキシ樹脂接着剤およびポリウレタン樹脂接着剤を用いて、スロープ比0,0.5,1.0,1.5,2.0のスロープト・フィンガージョイント材を作製し、その静的曲げ、衝撃曲げ、静的引張りに対する接合性能に及ぼすスロープ比および接着剤の影響について検討した。静的曲げ強さおよび引張り強さともスロープ比1.0で飽和し、曲げ強さの場合スロープ比1.0以上では接着剤による差異はほとんど認められかなった(最大有効率96%)。引張り強さは接着剤による差異が若干みられ、スロープ比1.0のウレタンが最大値を示した(最大有効率84%)。一方、衝撃曲げ吸収エネルギーの有効率はスロープ比の増加にともなって増加したが、その増加割合はウレタン以外の接着剤の場合小さく、スロープ比2.0のウレタンが最大値を示した(最大有効率62%)。最大荷重までの仕事量に対応する衝撃曲げ破壊吸収エネルギーの変動要因と考えられる破壊強さおよび破壊たわみの有効率は一般に静的曲げのそれよりも小さかった。上記の結果より、スロープト・フィンガージョイントは適した接着剤を用いればスロープ比が小さい場合でもかなり高い接合性能を示すと言える。 2.スロープト・フィンガージョイント材の曲げ破壊過程で発生するAE特性に及ぼすスロープ比および接着剤の影響を調べた。素材の場合、AEの発生は非常に少なかった。レゾルシノール・フェノールの場合、低荷重からAEの発生が認められ、なんらかの塑性変形が起こっていることを示唆している。一方、エポキシの場合、スロープ比0以外は破壊荷重の1/2程度でAEの発生が開始し、ウレタンの場合、それらの中間的な特性を示した。
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