1989 Fiscal Year Annual Research Report
急傾斜草地に対する機械化施肥作業技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
62860032
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
阿部 篤郎 東北大学, 農学部附属農場, 教授 (20143026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 徳雄 東北大学, 農学部附属農場, 助手 (10005671)
三枝 正彦 東北大学, 農学部附属農場, 助教授 (10005655)
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Keywords | 施肥機 / 肥料の分布予測 / 肥料の横方向分布 / ベ-ンの打撃 / ロ-タリベ-ン |
Research Abstract |
実験機の試作、改造の過程で問題のあった肥料繰り出し、調量方法については、ホッパ底部の形状の変更と溝付きフィ-ドロ-ルの採用によって、フィ-ドロ-ル回転数に対応した定量繰り出しを達成し、これによってベ-ン各部への肥料の均一供給ができたため、昨年度に作成した肥料分布密度予測の適用が可能になった。この実験機を、最大傾斜度21°から23°程度の急傾斜草地における施肥作業現地実験に供試した。実験には直径20mmの試験用肥料と直径9mmの市販のIB化成肥料を使用した。実験機によって緩傾斜の尾根部を走行しつつ、隣接する急傾斜草地に向かって肥料散布を行った結果、ロ-タリベ-ンの回転数1,000rpmの条件下で20mm肥料では70m、9mm肥料では60mの広幅散布を実証し、この方法により、従来は機械施肥ができなかった急傾斜草地に対する機械化施肥作業の可能性を明らかにした。本研究において肥料散布幅拡大の方法の一つとして試みた肥料の大粒化に伴う肥料効果への影響を、肥料反応の大きなオオムギを用いて検討した。その結果、成分含有率の高い肥料では粒径増大に伴う施肥粒数の減少が著しいため、肥料成分の圃場全面への拡散が不十分となり、収量の低下をもたらす危険性があるので、散布幅と肥料効果の両面から考えて適切な成分含有率及び粒径を選定する必要があろう。本実験機は、従来の施肥機に比べて8〜10倍程度の散布幅の作業ができるが、このためにホッパからの肥料の排出速度も大きく、通常のホッパ容量では連続作業ができない。将来は大量容ホッパを備えた自走機等を検討し、作業能率を更に向上することが必要である。
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