1988 Fiscal Year Annual Research Report
顕微測光装置の試作と神経細胞のCaイオン測定への応用
Project/Area Number |
62870005
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
大森 治紀 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (30126015)
|
Keywords | Furaー2 / 顕微測光 / 細胞内Caイオン / 有毛細胞 / 遠心性神経 |
Research Abstract |
細胞内Caイオンは細胞の各種活動を制御するセカンドメッセンジャーとして注目されている。本試験研究では、倒立顕微鏡をベースに蛍光顕微測光装置を試作し、主としてFuraー2を負荷した神経細胞に対して蛍光測光により細胞内Caイオンのダイナミクスと電気的性質を中心とする細胞機能との関連を探ろうとするものである。基本装置は既に62年度内に完成し63年度は次に述べる一部機能の拡張を行った。(1)顕微画像装置としての機能拡張を行った。これは既存のTVカメラ装置及び画像処理装置と組み合せる事により340nm、380nmの各励起光波長に対応する蛍光画像を独立した画像メモリーに納め、ホスト側のコンピューターであるμVAXIIによって全体を制御し画像データを永久記録した。(2)最大10点までの測光点からの蛍光測光を可能にした。こうした拡張機能と本来の高速二波長測光機能とを活用して、今年度は主として内耳有毛細胞への遠心性神経支配のメカニズムを解析した。 内耳の遠心性神経は有毛細胞あるいは求心性神経に対してコリン作動性かつ抑制性の神経作用が議論されている。しかし、コリン作動性である事実を含めて明確な証明はない。Ca蛍光測光下にアセチルコリン及びそのアゴニスト、アンタゴニストを有毛細胞に与える事によって、一過性のCa応答が生じた。これは、細胞外液を無Ca溶液にしても同様に起る事から、Caイオンの細胞外からの流入ではなく、細胞内での放出によると考えられる。結論として、アセチルコリンはムスカリン性受容体を活性化する事によって細胞内Caイオン濃度を増加させ、Ca依存性Kチャネルの活性化を介して過分極性、即ち抑制性の遠心性神経作用を示すものと考えられる。
|
-
[Publications] Ohmori,H.: Journal of Physiology. 399. 115-137 (1988)
-
[Publications] Ohmori,H.: Journal of Physiology. 403. 577-588 (1988)
-
[Publications] Ohmori,H.: Progress in Brain Research. 74. 11-20 (1988)
-
[Publications] Sugiyama,H.;Itoh,I;Okada,D.;Hirono,C.;Ohmori,H.;Shigemoto,T.;Furuya,S.: in Frontiers in Excitatory Amino Acid Research Alan R.Liss Inc.21-28 (1988)
-
[Publications] Hirano,t.;Kidokoro,Y.;Ohmori,H.: Pflugers Archiev. 408. 401-407 (1987)
-
[Publications] Ohmori,H.: Journal of Physiology. 387. 589-609 (1987)