1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62870006
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Research Institution | Department of Physiology, Faculty of Medicine, Totama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村本 健一郎 富山工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (70042835)
福田 正治 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (60126547)
中村 清実 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20143860)
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Keywords | 味の嗜好性ランク決定装置 / ドロップセンサー / パソコン制御方式 / ラット / リジン欠乏食 / 味物質選択行動 / 視床下部ニューロン活動 |
Research Abstract |
味の嗜好性に関する基礎的、行動学的データを得るために、ラット用のパソコン制御方式の味の嗜好性ランク決定装置を開発し、作製した。開発した味の嗜好性ランク決定装置は、ケージ内の壁に設置した8個のパイプから動物が自由に選択してそれぞれ異なる味物質を摂取でき、味物質摂取時点の信号をパソコンに取り込み、摂取量の経時的変化を解析し、味物質の嗜好性のランク付けを行うことができる。開発装置の性能1)ケージの形状はパイプの設置壁(場所)による特異性が生じないように8個のパイプに対して幾何学的対称な正八角形である;2)味物質摂取時点は、ボトルに接続した点滴管を味溶液が滴下するときを電気的に検出する(ドロップセンサー);3)ドロップセンサーからのパルス信号を、パソコンに必要とする最小時間単位で8チャンネル同時に取り込み、フロッピーディスクに記録する;4)味物質摂取量の経時変化を任意の時間間隔で表示し統計処理が行えるなどの特徴を有する。本開発装置を用いて、ラットに正常食または特定の必須アミノ酸(リジン)の欠乏食を与えて、種々のアミノ酸(リジン、グルタミン酸、グリシンなど)溶液の摂取行動を長時間(数週間)解析した。その結果、正常食ラットはグルタミン酸溶液を、一方リジン欠乏食ラットはリジン溶液を選択的に摂取し、味の嗜好性の変化を行動学的に明らかにした。本装置とわれわれが以前に開発した特殊なオペラント行動装置を用いてリジン欠乏食ラットでは、正常食ラットに比べて視床下部外側野ニューロンのリジン溶液摂取に対する応答性が高まることを明らかにした。また前年度開発したにおいの嗜好性ランク決定装置を用い、正常状態および絶食状態における食品関連の8種類のにおいに対する嗜好性を解析し、個体差はあるが正常状態ではいくつかの特定のにおい物質を嗜好し、絶食状態では、レバー押し総数の増加およびにおいの嗜好性が変化することを明らかにできた。
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[Publications] T.Ono;K.Nakamura;H.Nishijo;R.Tamura;E.Tabuchi: Advances in the Biosciences. 70. 123-126 (1988)
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[Publications] K.Nakamura;T.Ono;R.Tamura;M.Indo;Y.Takashima;M.Kawasaki: Brain Res.
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[Publications] T.Ono;T.Shu;E.Tabuchi;K.Torii;K.Muramoto: Proceeding of the 22th Japanese Symposium on Taste and Smell. 112 (1988)
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[Publications] E.Tabuchi;K.Torii;T.Shu;T.Ono;K.Muramoto: Proceeding of the 22th Japanese Symposium on Taste and Smell. 120 (1988)
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[Publications] K.Nakamura;T.Ono;M.Fukuda;R.Tamura: Proceeding of the 22th Japanese Symposium on Taste and Smell. 116 (1988)
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[Publications] K.Muramoto;T.Ono;E.Tabuchi;M.Indo;Y.Takashima: Proceeding of the 22th Japanese Symposium on Taste and Smell. 224
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[Publications] 小野武年,周天禄,田淵英一,鳥居邦夫,村本健一郎: 第22回味と匂のシンポジウム論文集. 109-111 (1988)
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[Publications] 中村清実,小野武年,福田正治,田村了以: 第22回味と匂のシンポジウム論文集. 113-115 (1988)
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[Publications] 田淵英一,鳥居邦夫,周天禄,小野武年,村本健一郎: 第22回味と匂のシンポジウム論文集. 117-119 (1988)
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[Publications] 村本健一郎,小野武年,田淵英一,西条寿夫,印藤元一,高島靖弘,川崎通昭: 第22回味と匂のシンポジウム論文集. 221-223 (1988)
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[Publications] 福田正治,小野武年,西条寿夫,田村了以: 肥満. (1989)
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[Publications] 中村清実,小野武年,西条寿夫,高島康弘,川崎通昭: 肥満. (1989)
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[Publications] 田村了以,田淵英一,周天禄,鳥居邦夫,小野武年: 肥満. (1989)
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[Publications] 周天禄,田渕英一,小野武年,鳥居邦夫: 肥満. (1989)
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[Publications] 田渕英一,小野武年,村本健一郎,高島靖弘,川崎通昭: 肥満. (1989)
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[Publications] T.Ono;M.Fukuda;H.Nishijo;K.Nakamura: "Plasticity in inferotemporal cortex-amygdala-lateral hypothalamus axis during operant behavior of monkey.In C.D.Woody(Ed.),Cellular Mechanisms of Conditioning and Behavioral Plast" Plenum Press,New York, 149-159 (1988)
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[Publications] T.Ono;H.Nishijo:K.Nakamura;R.Tamura;E.Tabuchi: "Role of amygdala and hypothalamic neurons in emotion and behavior.In H.Takagi,Y.Oomura,M.Ito and M.Otsuka(Eds.),Biowarning System in the Brain" Tokyo Univ.Press, 309-331 (1988)
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[Publications] 小野武年,佐々木和男: "報酬系、新生理学大系 11巻 行動の生理学、久保田競、小野武年編" 医学書院,
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[Publications] 小野武年,中村清実: "学習行動II.扁桃体と視床下部の役割、新生理学大系 11巻 行動の生理学、久保田競、小野武年編" 医学書院,
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[Publications] 西野仁雄,小野武年: "薬物と行動、新生理学大系 11巻 行動の生理学、久保田競、小野武年編" 医学書院,