1988 Fiscal Year Annual Research Report
多機能ミクロ高速フロー装置の試作とその病態解析への応用
Project/Area Number |
62870014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣海 啓太郎 京都大学, 農学部, 教授 (50025425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水井 康之 和研薬株式会社, A&D部, 部長代理
金谷 健一郎 日本食品分析センター, 基礎試験部, 主任研究員
木原 裕 自治医科大学, 看護短期大学, 教授 (20049076)
外村 辨一郎 京都大学, 農学部, 助教授 (20026545)
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
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Keywords | 多機能ミクロ高速フロー装置 / ミクロ高速フロー法による病態解析 / 乳酸脱水素酵素活性の時間差分析 / 抱合型と非抱合型ビリルビンの時間差分析 |
Research Abstract |
1.装置:昨年度試作したミクロフローユニット(微量高速溶液吐出ポンプKSP-17型、500μl容のマイクロシリンジおよびステッピングモーターで構成)を新たに2台製作し、合計3台のフローユニットに3液混合用の4ジェット2段階混合ユニット(昨年度に試作ずみ)および既存のミクロストップトフロー装置の光学測定系(光源・分光部と検出・データ処理部)を組み合せ、1段階および2段階混合が可能な多機能ミクロ高速フロー装置を試作した。今年度はとりわけ、3台のミクロフローユニットをパーソナルコンピュータで自動制御するためのソフトウェアの開発に主力を注いだ。その結果、第1液、第2液のそれぞれ任意量(15〜500μl)を任意の送液時間(後述)で混合後、これに第3液の任意量(15〜500μl)を一定時間遅らせて、任意の送液時間で混合するという多機能装置としての基本動作がコンピュータを通じて自動的に制御できるようになった。送液に要する下限(最短)時間は、送液量に応じて定まり、例えば送液量が15μlの場合で20ミリ秒、500μlの場合で1.8秒であった。第1液と第2液を混合後、第3液を混合するまでの遅れ時間は、0〜99.9秒の間で任意に設定することができる。試作した装置の混合能率、混合比を赤血塩水溶液と水とを用いて調べたところ、ほぼ満足できる結果が得られた。 2.病態分析への応用:現有のミクロストップトフロー装置(混合比1:1で1段階混合)を用いて血中乳酸脱水素酵素活性の時間差分析を試みた。その結果、従来のUV法に比して約25倍高速度の分析が可能であり、ベッドサイドにおけるような少数検体のリアルタイムの分析にも有効に活用できる可能性が示された。抱合型と非抱合型ビリルビンの時間差分析法による分別定量の可能性についても検討を行った。
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[Publications] 金谷健一郎: Agric.Biol.Chem.52. 2563-2568 (1988)
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[Publications] 金谷健一郎: Agric.Biol.Chem.52. 2615-2616 (1988)
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[Publications] 廣海啓太郎: Anal.Sci.4. 445-454 (1988)
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[Publications] 金谷健一郎: 臨床化学(Jap.J.Clin.Chem.). 17. 136-141 (1988)
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[Publications] 田端勝好: J.Biolumines.Chemilumines.2. 63-67 (1988)
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[Publications] 村地孝: Methods Enzymol.137. 260-271 (1988)
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[Publications] 村地孝: "新生化学実験法第6巻(固定化酵素による測定)" 丸善, 77-89 (1988)
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[Publications] 木原裕: "X-Ray Microscopy II,Ed.D.Sayre et al.(Fabrication and Its Focal Test of a Free-standing Zone Plate at VUV Region)" Springer-Verlag, 164-167 (1988)