1988 Fiscal Year Annual Research Report
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62870020
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
多村 憲 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (50027314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元田 昭策 デンカ生研株式会社, 開発本部, 部長
吉田 芳哉 神奈川県衛生研究所, ウイルス部, 主任研究員
山本 正悟 宮崎県衛生研究所, 微生物部, 主任技師
南嶋 洋一 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (80041284)
須藤 恒久 秋田大学, 医学部, 教授 (90006700)
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Keywords | 恙虫病 / 血清診断法 / 抗原の安定化 / ドット法 / ELISA法 / RPHA法 / リケッチア・ツツガムシ |
Research Abstract |
1.抗原の安定化の検討:従来の紫外線不活化、アセトン固定法にかえて、抗原をホルマリン固定後、アセトンで再固定することにより、抗原の安定性が顕著に上昇することを見出した。これにより蛍光抗体(IF)法、免疫ペルオキシダーゼ(IP)法のための診断用キットの作成が可能になった。またホルマリン不活化した抗原を2M食塩中で保存すれば室温中でもその抗原性は長期に安定であることも見出し、これは抗原の遠隔地(例えば外国)への輸送などに好便であることが判明した。 2.ELISA法の検討:リケッチアに特異的なモノクロナル抗体をELISA用プレートに固着し、これにリケッチアを付着させて、これをELISA法の抗原とすれば、非特異的反応が低下し、患者血清中の抗体価の測定に満足すべき結果が得られることが判明した。またこの方法を患者血清と型特異的モノクロナル抗体との反応阻害試験に応用すれば、その患者に感染したリケッチアの型同定に利用できることも判った。 3.RPHA法の検討:血球にリケッチア特異的モノクロナル抗体を結合させて、野ネズミの血中抗体価をRPHA法で測定することができた。 4.ドットブロット法の検討:昨年度の研究で新たに開発されたこの方法を、キット化して提供し、宮崎衛研、静岡衛研で実際に使用してもらったところ、IF法の結果とよく一致し、診断のスクリーニング法として、極めて優れた方法であることが確認された。 5.血清診断に用いる抗原の種類について:現在我が国にはGilliam,Karp,Kato型の他、Shimokoshi,Kawasaki,Kuroki型リケッチアが存在することが確認され、特にKawasaki Kuroki型リケッチアは九州地方のみならず、静岡県や神奈川県などの東海地方にも存在することが判明した。従って今後の血清診断用抗原にはこれらの株も抗原として用いることが望ましいことが結論された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 須藤,恒久: 感染症学雑誌. 63. 35-38 (1989)
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[Publications] 山本,正悟: 感染症学雑誌. 63. 108-117 (1989)
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[Publications] Ohashi,Norio: Microbiol.Immunol.32. 1085-1092 (1988)
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[Publications] 多村,憲: 日本細菌学雑誌. 43. 629-639 (1988)
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[Publications] Ohashi,Norio: Infect.Immun.57. (1989)
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[Publications] Urakami,Hiroshi: J.Clin.Microbiology.
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[Publications] 多村,憲: "医学細菌学 3巻 Rickettsia tsutsugamushiの構造・増殖・感染" 菜根出版、三輪谷俊夫監修、中野昌康、吉川昌之介、竹田美文編集,