1988 Fiscal Year Annual Research Report
超音波周波数分析・赤外分光制御による深部臓器癌の非手術的治療装置の試作
Project/Area Number |
62870029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 武信 大阪大学, 医学部, 教授 (80028399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
松村 高勝 大阪大学, 医学部, 助手 (90183615)
川野 淳 大阪大学, 医学部, 助手 (60133138)
房本 英之 大阪大学, 医学部, 助手 (90124776)
佐藤 信紘 大阪大学, 医学部, 講師 (90028358)
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Keywords | 超音波周波数分析 / 赤外分光 / 癌非手術的治療 / ハイパーサーミア / 光ファイバー / ケプストラム解析 / 肝癌 |
Research Abstract |
本研究は、超音波周波数分析及び近赤外スペクトル分析の両法によるモニタリングのもとに深部臓器癌のハイパーサーミア加温による非外科学的治療を安全かつ効果的に行える機器を試作することにある。昨年度までにハイパーサーミア器、温度測定装置及び近赤外分光分析器、超音波周波数ーケプストラム解析装置を組合せ、その基礎的検討を行った。今年度は、犬、家兎、ラットの肝臓などの腹部臓器における加温と組織変化の関係、近赤外光分析による臓器内血液量、血液ヘモグロビン酸素飽和度、血流速度、さらに超音波周波数ーケプストラム分析により肝の脂肪浸潤のみならず線維化の程度、肝小葉構築の異常、肝硬変と肝癌の質的差異について調べた。その結果、ハイパーサーミア効果は温度の測定のみならず臓器の機能評価を局所で行うことが重要であり、加温についてはいかに深部の目的部位に焦点を合わすか、他の正常部位の温度上昇を防ぐかが問題であり、加温法の改良の必要性が臓器機能の評価面からも明かとなった。一方、超音波周波数ーケプストラム解析を臨床に応用し、慢性肝炎、肝硬変、肝癌について解析を行ったところ求めた平均の散乱体間距離は正常肝、慢性肝炎、肝硬変へと病変の進展とともに増大し、肝小葉構造が拡大し、不均一化を生じ原発性肝癌ではこれが一層顕著になることが明かとなった。さらに熱性変性による肝小葉体間距離の変化を現在検討中である。また、近赤外分光分析により肝臓局所の血流と酸素化の解析を行ったところ、組織血流が変動し、これには正常肝と障害肝で著しい差があることが判明した。例えば、アルコール負荷による癌部血流の変動を加温治療に応用できる可能性が考えられた。加温器、温度測定技術、癌の機能変化の連続的評価のより一層の進歩が望まれた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kawano,S.;Sato,N.;Eguchi,H.;Tsuji,S.;Matsumura,T.;Kamada,T.: Biomedical and social aspects of alcohol and alcohlism.367-370 (1988)
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[Publications] Sato,N.;Kawano,S.;Matsumura,T.;Yoshihara,H.;Hijioka,T.;Kamada,T.: Biomedical and social aspects of alcohol and alcoholism.383-386 (1988)
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[Publications] 佐藤信紘,川野淳,辻晋吾,鎌田武信: 日本レーザー医学会誌. 9. 15-19 (1988)
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[Publications] 江口寛: 大阪大学医学雑誌. 40. 141-150 (1988)
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[Publications] 河野通一,佐々木裕,林紀夫,笠原彰紀,房本英之,佐藤信紘,鎌田武信: 日本超音波医学会講演論文集. 121 (1988)
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[Publications] 河野通一,鈴木都男,佐々木裕,林紀夫,笠原彰紀,房本英之,佐藤信紘,鎌田武信: 日本超音波医学会講演論文集. 47 (1988)
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[Publications] Sato,N.;Kawano,S.;Matsumura,T.;Yoshihara,H.;Hijioka,T.;Eguchi,H;Kamada,T.: "Role of hepatic microcirculation in the pathogenesis and development of alcoholic liver disease-possible involvement of hypercathecholaminemia." Springer-Verlag, 215-220 (1988)
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[Publications] Sato,N.;Kawano,S.;Matsumura,T.;Yoshihara,H.;Hijioka,T.;Eguchi,H.;Matsunaga,T.;Kamada,T.: "Abnormal heterogenic distribution of hepatic sinusoidal blood flow and oxygenation after acute ethanol consumption in rats;Direct evidence for pericentral hypoxemia." Elsevier Science Publisher B.V., 105-110 (1988)