1988 Fiscal Year Annual Research Report
螢光プローブを用いる単離胃粘膜細胞機能検査法の開発
Project/Area Number |
62870031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅野 健太郎 東京大学, 医学部, 助手 (60179116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩森 正男 東京大学, 医学部生化学, 助教授 (90110022)
加藤 勝 東京大学, 医学部, 医員
斉藤 栄一 東京大学, 医学部, 医員
名富 仁美 東京大学, 医学部, 医員
辻 彼南雄 東京大学, 医学部, 医員
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Keywords | 螢光測定法 / 壁細胞 / 酸分泌 / 細胞内カルシウム / 胃小胞 / ヒスタミン |
Research Abstract |
1.胃粘膜から分離した単一壁細胞での酸分泌機能をACASワークステーションを用いて検討し、ヒスタミン刺激酸分泌を単一細胞で測定することが可能であることを予備的実験ではあるが示すことに成功した。 2.家兎胃粘膜より密度勾配超遠心分離法によって得られた胃小胞での酸分泌をアクリジンオレンジを用いて測定することができた。この結果の一部は第21回胃分泌研究会において発表する予定である。このように単に細胞レベルのみならず細胞下分画においても酸分泌機能の測定が螢光法により可能となった。現在酸分泌を担う酵素本体であるH^+・K^+-ATPase活性、胃小胞での酸分泌、および無傷の分離壁細胞での酸分泌の関連を検討中である。 3.細胞内カルシウムを2波長同時励起システムを備えた分光螢光光度計で螢光指示薬FuraIIを用いて螢光測定し、各種酸分泌刺激剤による壁細胞内カルシウム濃度の変化を検討した。ヒスタミンが細胞内カルシウム動員効果を示すという研究知見は第74回日本消化器病学会大会、第30回日本消化器病学会大会、第1回上皮輸送研究会で発表した。またこの方法でガストリンとCCKによる壁細胞酸分泌反応が異なる受容体を介しているという新しい知見を得第75回消化器病学会総会で発表を予定している。そのほかこの手法を利用した多くの研究が現在進行中であり今后も多数の研究発表を行う予定である。このため本年度に予定していた壁細胞活性化に伴う膜電位変化、細胞内pHの変化を螢光指示薬を用いて検討することなどは今後に持ち越した。
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[Publications] 菅野健太郎: 消化器科. (1989)
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[Publications] 菅野健太郎: 胃分泌研究会誌. (1989)
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[Publications] 辻彼南雄: 上皮輸送研究会講演要旨集. 1. 26-27 (1988)
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[Publications] 辻彼南雄: 日本消化器病学会雑誌. (1989)
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[Publications] Hitomi Natomi: Biochim.Biophys.Acta. 961. 212-222 (1988)
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[Publications] 加藤勝: 日本消化器病学会雑誌. 85. 2049 (1988)