1989 Fiscal Year Annual Research Report
ポリミキシン固定化材料のエンドトキシンショック治療への応用
Project/Area Number |
62870051
|
Research Institution | Shiga University of Medical Science School of Medicine |
Principal Investigator |
小玉 正智 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50079836)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 徹 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20179823)
|
Keywords | エンドトキシン / ポリミキシンB / 敗血症 / ショック / 体外血液潅龍 / 吸着 / エンドトキシン測定 / 重症感染症 |
Research Abstract |
1989年2月にヒト用に作製、安全性のチェックを終えた。ポリミキシン固定化(PMX-F)カラムに対し、厚生省から臨床治験の許可が得られ、学内での事務処理を経て、国内2施設で臨床治験を開始した(4月)。対称となる症例は敗血症性ショック状態の患者で詳細なプストコ-ルに定めた。本年度中、我々の施設では、例に対し、同のDHPを行って来た。1回のDHPは2時間かけヘパリンがNatamstat mesilate.を抗疑固剤として用いて行った。 種々の安全性評価・生体適合性評価因子が検討された。全例・非常に厳しい状況下にありながら施行中の循環動態要化を経験したことは無く血圧が触知できない症例でも施行可能であった。肝機能、腎機能にも変化なく、ただ血小板が施行後40%程低下する場合が認められた。しかしこうした症例も翌日には元のレベルにまで戻っており、出血傾向がみられた症例は無く、全てのDHPが安全に行われ得た。効果については、発表文献に詳細を記すが、循環動態、血液ガス等、ショックからの離脱もみとめられた。しかしDHPの回数等もあり、枚命につながったのは10中4例であった。 カラムの吸着能ではTNF等のサクトカインをも吸着できることが分かっているが、肝心の血中エンドトキシンについては、新しい測定法を検討した。現在までに市販されている方法では前処理や方法そのものに問題があったが、比濁法に新しい前処理を施した方法が、同じく処理を工法したES法にて測定可能の望みが得られた。この方法で測定すると、PMx-Fカラム前後での血中エンドトキシン濃度は低下している。本研究におけるまとめとして、完全な測定法は未だ確立できないが、ほぼ近い手法が開発されていると思われる。 臨床治験と今後、施設の拡大も決まっており新しい成果が見込まれる。
|
-
[Publications] 青木裕彦他9名: "敗血症性ショックにおけるポリミキシンB固定化ファイバ-の生体適合性と効果" 医工学治療研究会in press.
-
[Publications] Hanaswa,K.,et al: "Novel mechanical assistance in the treatment of endotoxic and septicemic shock" Trans Am Soc Artif Intern Organs. 35. 341-343 (1989)
-
[Publications] Aoki,H.,et al: "A nuw treatment for endotoxemia with polymyxin B immobilized fiber" The 5th World Congerss on Intensive Care Medicine. (1989)
-
[Publications] 小玉正智他2名: "血液吸着血液浄化法-最近の進歩-" ICUとCCU. 13. 189-197 (1989)
-
[Publications] 谷徹他2名: "エンドトキシン除去によるショック治療の有効性" 日本外科学会雑誌. 90. 1370-1373 (1989)
-
[Publications] 小玉正智他3名: "エンドトキシンショックの治療法 最近の研究の進歩について" 化学療法の領域. 5. 67-72 (1989)
-
[Publications] 小玉正智他2名: "標的治療河岸編血液浄化法における標的治療" 日本メディカルセンタ-東京, 47-54 (1989)