1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62870052
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
渥美 和彦 東京大学, 医学部, 教授 (70009877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 邦彦 東京大学, 医学部, 助手 (50192349)
井街 宏 東京大学, 医学部, 助教授 (10010076)
藤正 巖 東京大学, 先端科学技術センター, 教授 (30010028)
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Keywords | 人工心臓 / 血液ポンプ / 駆動装置 / 人工弁 / マイクロマシン / 人工心臓の制御 / エネルギー伝送 / 太陽電池 |
Research Abstract |
本研究の目的は、血液ポンプ、駆動装置、計測システム、制御装置、エネルギー源からなる人工心臓の全システムを体内に埋込むことができるようにその機構の開発、小型軽量化、安全性、信頼性の向上および高効率化をはかることであるが、本年度は以下の研究を行った。 1昨年度に開発したDCパルスモータを用いたコンプライアンスチャンバーレスポンプのシステムについて、模擬循環回路を用いて性能テストを行った。このポンプはダイアフラムに流入弁の機能を持たせた自由ダイアフラムという新しい方式を採用したものであるが、基本的には満足すべき性能を得た。 2新しい駆動機構として、液化ガスを用いる機構を考案しそのシステム設計を行った。液化ガスをノズルから噴射気化させてそのガス圧で人工心臓を駆動し、コンプレッサーで再び液化させるという完全閉鎖型のもので、モック装置による実験では原理的に十分可能なことが確認され、現在小型コンプレッサーの設計試作を行っている。 3昨年度考案した新しい人工心臓用弁(Jelly fish弁)の具体的モデルをポリウレタンで製作し、模擬循環装置と動物実験により、その性能、流れの状態、耐久性のテストを行った。動物実験では113日間の生存を得た。本弁の性能は従来用いてきた人工弁より優れ、耐久性も5ケ月を越えて継続中であり、人工心臓用弁として有望であることが明らかになった。 4エネルギー源として太陽電池の検討をした。20×60mmの太陽電池6.5枚を白衣に貼り付けることにより、最大7.6wattの発電が可能であり、人工心臓のエネルギー源として極めて有望であることが判った。
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[Publications] K.Imachi: Trans.Am.Soc.Artif.Intern.Organs. 34. 726-728 (1988)
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[Publications] 井街宏: 人工臓器. 17. 442-445 (1988)
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[Publications] K.Maeda: Trans.Am.Soc.Artif.Intern.Organs. 34. 480-484 (1988)
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[Publications] 鎮西恒雄: 人工臓器. 17. 1035-1040 (1988)
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[Publications] Y.Abe: Artificial Heart 2. 257-261 (1988)
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[Publications] 渥美和彦: "人工臓器工学ー設計と開発の方法論" 講談社サイエンティフィク, 1-225 (1988)