1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62870060
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
岩田 金治郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20065519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古井 倫士 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40165460)
湯浅 博実 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90115650)
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Keywords | 脳外傷 / 頭蓋内圧 / サーボ機構 / ICP controler / 脳圧降下剤 |
Research Abstract |
本年度は、我々の改良、試作した頭蓋内圧(ICPと略す)の自動コントローラーの臨床応用を主に検討した。 対象は閉鎖性重症頭部外傷6例の急性期と頭蓋内腫瘍切除術後の管理の2例であった。 ICPは硬膜下圧又は脳室ドレナージを既にしてあった例では脳室の圧をモニターした。 ICP降下剤としてはマンニトール溶液を選んだ(以下薬剤と略す)。その静脈内投与注入速度は40g/hと固定し、一日の最大投与量はマンニトール5g/kg体重とした。 結果:薬剤注入、2〜10分でICPが夫々予め設定した閾値以下となった。しかしICPは再び上昇を始め閾値以上になって薬剤注入が再開された。我々の装置には使用上技術的な支障は全くなかった。 考察:薬剤注入2〜10分とは、その量が8〜30ml程度であり、ICPはこの少量で迅速に反応して降下を示すことは、従来の非定性的投与法(一回量300〜500ml)に比べると予想以上に少量で各時点では済む事になる。又従来の投与法に比べてICP上昇のリバウンド現象も我々の方法では防ぎうる。但しICPの病態は複雑であり、我々のコントローラートで設定するICP閾値を一定にする事は出来ない。 今迄の小数の経験でもICPが40mmHg以上の基本圧を示した場合はその閾値を15〜20mmHg以下の生理的範囲以下に設定した場合薬剤必要量は過剰となってしまう。又この"ICP閾値"がICP病態の本質的なものと把握出来、これは同一症例でのその経過により変動させなければならない。 これらの問題点を中心に予後や血液電解質を含め全身管理のパラメーターとの相関につき検討する方針である。
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