1988 Fiscal Year Annual Research Report
多関節ロボットを用いた靱帯損傷診断ー膝関節動揺性検査法の開発ー
Project/Area Number |
62870062
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山本 真 北里大学, 医学部, 教授 (60050332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 伸治 三菱電機名古屋製作所, 部長
藤江 裕道 北里大学, 医学部, 助手 (20199300)
南沢 育雄 北里大学, 医学部, 講師 (10146459)
二見 俊郎 北里大学, 医学部, 助教授 (70104536)
馬渕 清資 北里大学, 医学部, 講師 (70118842)
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Keywords | 垂直多関節ロボット / 靱帯損傷 / 膝関節動揺性検査 |
Research Abstract |
イヌ膝関節を試験片とし、一般に市販されている多関節ロボットを用いて動揺性測定の予備実験を行い、ロボットの位置精度が荷重やモーメントにどのように影響されるかを調べた。また、動物膝関節に前十字靱帯の損傷を作成し、前方後方引き出し試験による動揺性測定を試みた。 その結果、内外反方向の試験では、十分な位置精度が保たれること、および、前後方向の引き出し試験では変位が大きくなるに従い、位置精度が維持できなくなることを明かにした。また、位置精度の低下の理由は、前後方向では直達力によって変位を与えねばならず、使用したロボットの担荷能力が不足したためと考えられた。この結果をもとに、ヒトのスケールに一致した市販の産業用ロボットをプロトタイプモデルとした垂直多関節ロボットの設計製作を行った。主な改良点は、動作速度の低減と担荷能力の増加、動作自由度を1増やして6とする点であった。荷重のセンシングは、ロボットのハンド部と患者の下腿部の間に6軸力センサを挟んで電気的に行った。得られたデータは、AD変換して制御指令をロボットに与えたコンピュータに同時に格納し、ロボットに与えた変位のデータとともにフロッピーディスクに保存した。 被験者を乗せ、膝関節を固定するための専用の固定台を新規設計製作し、試作した垂直多関節ロボットを用いたヒト膝関節の靱帯損傷診断を試行した。専用の治具を用いて被験者の大腿部を固定台に、下腿部をロボットのハンド部に固定した。その結果、先のイヌ膝関節を用いた予備実験で問題となった前後方向の動揺性試験での位置精度の不足は見られなかった。すなわち、試作したロボットの担荷能力は、ヒト膝関節動揺性試験に用いるのに十分な大きさであることが明かとなった。本研究課題のもとでの研究により、膝関節靱帯損傷診断装置として用いることのできる垂直多関節ロボットの設計製作が完了できた。
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[Publications] 山本真: 日本医事新報. 3328. 43-50 (1988)
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[Publications] 山本真: 綜合臨床. 37. 1927-1928 (1988)
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[Publications] 馬渕清資: 整形外科バイオメカニクス. 9. 95-99 (1988)
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[Publications] 藤江裕道: 整形外科バイオメカニクス. 9. 105-110 (1988)
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[Publications] 山本真: "整形外科診察ハンドブック" 南江堂, 1-423 (1987)
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[Publications] 山本真: "整形外科診療図譜ー外傷(2)骨折・脱臼" 金原出版, 1-356 (1986)