1988 Fiscal Year Annual Research Report
硬膜外・クモ膜下微小内視鏡および拡大画像化システムの開発
Project/Area Number |
62870064
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下地 恒毅 新潟大学, 医学部, 教授 (30040158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 助手 (70181419)
穂苅 環 新潟大学, 医学部附属病院, 助手
福田 悟 新潟大学, 医学部, 助教授 (30116751)
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Keywords | 硬膜外 / クモ膜下 / 内視鏡 / ファイバースコープ / 脊髄 |
Research Abstract |
前年度において軟弾性微小内視鏡を用いて、外科的侵襲を加えることなく、硬膜外腔やクモ膜下腔の内視を施行できることを示したが、本年度はさらに同内視鏡の改良および臨床応用について検討した。 (1)これまで使用した1.8mm、1.4mm、0.9mmの他に新たに本年度は0.5mmのガラスファイバースコープ(FC)を作製し、脊髄外傷部位等の内視を試みた。同FCは癒着のある部位にも容易に到達したが、内視画像の鮮明度は0.9mmのスコープよりも若干劣り、また視野が狭く、観察部位の特定に問題がある。通常の内視の目的には極端に径を細くする必要はないと思われるが、0.5mm径のものに操作用チャネルを加えることによりFC尖端のアングル操作につき検討している。 (2)クモ膜下腔の内視は脊髄麻酔と同様に、施行後、髄液の流出に伴う合併症として時に頭痛を訴えることがあり、その対処のために適切な輸液が必要と思われた。 (3)内視鏡検査を施行した慢性背部痛患者のうち1例では検査施行後、劇的に痛みが消失し、それ以後、現在に至るまで痛みの再発がない。この除痛効果の機序は明らかではないが、癒着により圧迫された部位に内視の施行により剥離、除圧され痛みが消失したものと考えられた。 今後、臨床応用を進めるにあたっての検討課題を示す。 (1)画像診断法であるMRIあるいはX線CTmyelographyと組合せることにより、疾患部位の病態により確実な診断を図ること。 (2)単に内視検査のみならず、治療のための操作が可能な微小内視鏡の開発も期待される。とりわけ、FCを通じて確認病変部位に対するレーザー光照射による凝固治療等を、脊髄および硬膜外領域へ応用することについては動物実験等の基礎的研究を含めて検討すべき課題と思われる。
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