1988 Fiscal Year Annual Research Report
活性持続型アスコルビン酸を利用した骨芽細胞のマトリックス培養法の開発
Project/Area Number |
62870073
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保木 芳徳 北海道大学, 歯学部, 教授 (00014001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝田 裕子 北海道大学, 歯学部, 教務職員 (30125330)
藤沢 隆一 北海道大学, 歯学部, 助手 (40190029)
水野 守道 北海道大学, 歯学部, 助手 (10125354)
畑 隆一郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (10014276)
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Keywords | 骨芽細胞 / 骨原性細胞 / コラーゲンゲル / マトリックス培養 / 活性持続型アスコルビン酸 |
Research Abstract |
前年度は骨芽細胞様細胞株MC3T3ーE1の培養条件に関する基礎的検討をおこなった。本年度はこの結果をふまえて、培養条件の最適化ならびに種々の培養条件下で培養された細胞の性状の詳細について検討した。 1.骨芽細胞様細胞の産生タンパク質の分析。培養細胞の産生したタンパク質をアイソトープでラベルしてゲル電気泳動およびフルオログラフィーで分析した。その結果、特有なタンパク質としてI型コラーゲンおよび分子量40K程度のタンパク質が同定された。後者のタンパク質はコラーゲン様の組成を持ち、コラーゲンに関連したタンパク質であると考えられる。 2.石灰化結節の継代培養。この細胞を培養し続けると球状の細胞が出現し結節を形成しついには石灰化する。石灰化部位を取りだしてあらためて培養をおこなうと再び細胞増殖が始まり石灰化がおこった。しかし石炭化に至る経過は通常のMC3T3-E1細胞を培養した場合とは異なっていた。 3.コラーゲンゲル内での細胞培養。細胞をコラーゲン溶液と混ぜてヌクレオポアフィルター上でゲル化させて培養をおこなった。このゲル内培養法でも細胞は増殖し、骨芽細胞の特徴であるアルカリフォスファターゼ活性の上昇もある程度見られた。しかし培養後60日たっても石灰化には至らなかった。次にゲル内に牛骨の塩酸グアニジン抽出物(粗BMP)を加えて培養をおこなうとアルカリフォスファターゼ活性の上昇が認めらた。 4.今後の展望。今後は細胞の増殖・分化を支援するためにさまざまの生理活性物質を培養系に加えることを計画している。生理活性物質としてはたとえば骨代謝に関係するホルモンである活性型ビタミンD、種々の増殖因子、骨由来の増殖・分化因子等が考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Fujisawa,R.;Kuboki,Y.: Calcified Tissue International. 41. 44-47 (1987)
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[Publications] Fujisawa,R.;Kuboki,Y.: Japanese Journal of Oral Biology. 29. 482-484 (1987)
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[Publications] Fujisawa,R.;Kuboki,Y.: Connective Tissue Research. 17. 231-238 (1988)
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[Publications] Mizuno,M.;Kasagi,T.;Kuboki,Y.: Japanese Journal of Oral Biology. 30. 855-858 (1988)
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[Publications] Fujisawa,R.;Kuboki,Y.: Archives of Oral Biology. 34. 89-92 (1989)
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[Publications] Kuboki,Y.;Takita,H.;Komori,T.;Mizuno,M.;Furuuchi,E.;Taniguchi,K.: Calcified Tissue International. 44. (1989)
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[Publications] 久保木芳徳 他: "現代発生生物学シリーズ2、器官形成ー発生生物学から臓器工学まで" 培風館, 296 (1988)
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[Publications] 久保木芳徳: "硬組織再建の原理" フジゼロックス, (1989)