1988 Fiscal Year Annual Research Report
修飾相補鎖ーRNaseH系によるRNAの高選択的切断法の開発
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62870091
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 栄子 北海道大学, 薬学部, 教授 (80028836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 成憲 北海道大学, 薬学部, 助手 (10168544)
井上 英夫 北海道大学, 薬学部, 助手 (80088856)
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Keywords | RNAの位置特異的切断 / RNAの塩基配列特異的切断 / 大腸菌RNaseH / RNA・修飾DNAハイブリド / 2′-O-メチルオリゴリボヌクレオチド / キメラオリゴヌクレオチド / 大腸菌tRNA<Met( / )f> |
Research Abstract |
前年度の研究において、2′-O-メチルオリゴリボヌクレオチドが連結したDNA4mer(キメラオリゴヌクレオチド)をオリゴリボヌクレオチドにハイブリダイズさせ、大腸菌RNaseHを作用させると、リボ鎖が位置特異的に1カ所で切断されることが明らかとなった。今年度は、この新規RNA切断法の適用範囲を探る目的で、大腸菌tRNA^<Met>_fを用いて研究を行った。 tRNA^<Met>_fのDループ、アンチコドンループ、アンチコドンステム、アクセプターステムの切断を検討するために、各領域に相補的なキメラオリゴマー(11〜20mer)をホスホロアミダイト法により核酸自動合成機で調製した。RNaseH反応は各キメラ体と末端^<32>P標識したtRNAをアニーリングさせたのち行い、切断部位の解析はゲル電気泳動などにより行った。 RNA・DNA(4mer)ハイブリド領域内に修飾ヌクレオチド(tRNA側)を含むようにデザインされたキメラ相補鎖の使用ではtRNAの水解速度が遅く、切断は隣接した2〜3カ所で起こった。しかしアンチコドンループ内でもRNA・DNAハイブリド領域内に2′-O-メチルシチジン(tRNA側)を含まない場合は、水解速度の上昇が観察された。アクセプターステムとアンチコドンステムでの切断反応を比較すると、前者の方が水解速度は速く(ほぼ100%切断)、しかも切断部位はほとんど1カ所に限定された。一方、後者での切断率は20〜30%であり、切断部位は2カ所であった。このようにtRNAでは修飾ヌクレオチドの存在やRNAの高次構造が切断反応の効率および位置特異性に影響を与えることが示された。また今まで特異的切断が非常に困難とされたアクセプターステムでも筆者らの方法により切断可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)