1988 Fiscal Year Annual Research Report
バイオリアクター方式による血清酵素活性の自動化計測法の開発
Project/Area Number |
62870108
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村地 孝 京都大学, 医学部, 教授 (10089104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸谷 誠之 京都大学, 医学部, 講師 (70163988)
田畑 勝好 京都大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70115880)
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Keywords | バイオリアクター / 乳酸脱水素酵素(LDH) / アミラーゼ / 化学発光計測 |
Research Abstract |
バイオリアクター方式を、血清酵素活性測定にも適用してその用途を広め、また、同一系列機種による多項目分析を可能にするため、次のような研究を行い、成果を得た。 〈1〉バイオリアクター方式による血清酵素の自動化計測法の開発 (1)血清乳酸脱水素酵素(LDH)活性の測定 フローインジェクション(FIA)分析システム内にLDH反応のための反応コイルをバイパスとして設置する方式により行った。インジェクションされた血清は、まず、プレカラムとして使用される乳酸オキシダーゼ・カタラーゼカラムに入り、そこで血清中にもとから存在する乳酸は反応系から除去される。乳酸が除去された血清は、次に反応コイルに導かれ、血清が反応コイル内に入ったところで、電磁弁により流路が切り換えられ、反応コイル内で一定時間LDH反応が行なわれる。反応後、反応コイル側の電磁弁が開き、反応コイル内のLDH反応によって生成された乳酸は乳酸オキシダーゼバイオリアクタ夕ーに導かれて、そこで過酸化水素が生成され、過酸化水素は化学発光法で測定された。得られた結果は良好で、1mlの血清量で、2分間のLDH反応により、検体ブランクも必要とせず、検量線の直線性もよく、日立726型自動分析計による結果とよく相関した。 (2)血清アミラーゼ活性測定 血清LDH活性測定と同じ装置を使用し、マルトペンタオース(G5)を基質とし、内在性のグルコースの除去にはグルコキナーゼカラムを使用した。アミラーゼ反応によって生成されたマルトースはマルトースホスホリラーゼ・ビラノースオキシダーゼバイオリアクターによって分解され、過酸化水素が生成された。得られた結果は良好で、高濃度に存在する血清中グルコースの除去可能で、検体ブランクは不必要であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masayoshi Tabata: Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence. 2. 63-67 (1988)
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[Publications] Masayoshi Tabata: Journal of Bioluminescence and Chemiluminescence. (1988)
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[Publications] Masayoshi Tabata: Biomedical Chromatography.
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[Publications] Masayoshi Tabata: Annals of Clinical Biochemistry.
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[Publications] 田畑勝好,村地孝: "生物発光と化学発光(基礎と実験)「化学発光を利用した臨床化学分析」「臨床化学分析への応用」" 廣川書店, 231-247,270-276 (1988)