1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62880003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (40005517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学部, 助手 (70207653)
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Keywords | 機能性薄膜 / プラズマプロセス / イオンビーム / 電子ビーム / マイクロ波放電 / グロー放電 / ダブルプラズマ / 反応性プラズマ |
Research Abstract |
昨年度の研究において、放電形式は冷陰極直流グロー放電とECRマイクロ波放電の組合せが有効であることを見出した。今年度はこの方式を採用した大型のダブルプラズマ装置を設計し製作した。これを用いてイオンビームの高エネルギー化をはかる実験を進めた。その結果、従来のエネルギーの3倍程度の600eVのビームを得ることに成功し、外部バイアス電源を増強すればさらにエネルギーを高めることも可能であることがわかった。 これまではイオンビームの生成だけを念頭において研究してきたが、今年度は発想の転換をはかり、低エネルギー電子ビームの生成をダブルプラズマ法に基づいて行うことを初めて試みた。この研究は、電子ビームのエネルギーを精密にかつ自由に制御することによって、反応性プラズマ中の解離・電離などの一次反応を制御し、中性ラジカル種を選択的に生成する道を探る画期的な試みである。 原理実験を行うためアルゴンガスを用い、ECRマイクロ波放電プラズマから外部バイアスを印加したバイアスチャンバー内に電子ビームを引き出し、ビームのエネルギーとフラックスを測定した。予想される通り、ビームエネルギーは外部バイアス電圧と直線関係にあり、ビームエネルギーの増大につれて発光と電離が観測された。一方、ビームフラックスは外部バイアスの増加とともにふえるが、ソースプラズマの電位を越える所から飽和する傾向が見られた。この飽和現象は、ソースプラズマ中のイオン損失と電子損失のバランスから説明することができた。これらの実験から、ダブルプラズマ法による低エネルギー・大直径電子ビーム生成の道が開かれた。 最後に、機能性薄膜形成の基礎研究として、炭素薄膜における水素の吸収・脱離機構を調べて、薄膜中の水素の制御法を示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Sugai;S.Urano;S.Ohshita;T.Okuda: Proc.of 8th Int.Symposium on Plasma Chemistry(Tokyo,1987). 3. 1548-1553 (1987)
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[Publications] 吉田慎司,大下晋,菅井秀郎,奥田孝美: 核融合研究. 58. 402-410 (1987)
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[Publications] H.Sugai;H.Toyoda;S.Ohshita;S.Yoshida;A.Sagara: J.Nucl.Mater.(1989)
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[Publications] Yabuoshi;H.Toyoda;H.Sugai: Proc.of 6th Symposium on Plasma Processing(Kyoto,1989). 1. 593-596 (1989)