1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62880019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷 純宏 大阪大学, 理学部, 助教授 (80028232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 昭宏 宝酒造, 薬品研究所, 研究員
加藤 郁之進 宝酒造, 薬品研究所, 所長
池中 徳治 大阪大学, 理学部, 教授 (20028088)
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Keywords | 蛍光標識 / 糖組成分析 / ピリジルアミノ化 |
Research Abstract |
前年度においては、10〜1ナノモルの各単糖を揮発性の反応試薬である、2ーアミノピリジンー酢酸、ピリジン・ボラン錯体を用いてピリジルアミノ化し、濃縮乾固後直接HPLCで検出することができた。今年度はさらにこの反応条件を検討し、糖分析器の試作を行った。 ピリジルアミノ化反応をさらに検討し、ジメチルアミン・ボラン錯体を酢酸に溶かし還元反応を行った所、アミノ糖と中性糖について収率が向上した。また反応副生成物で妨害されない分析条件を検討し、従来用いていた逆相カラムの代りに陰イオン交換樹脂カラムを用いてHPLCを行った所、ピリジルアミノ糖の分離も良く反応中に生ずる副生成物によるピークの妨害を受けにくいことが明らかとなった。各種単糖を4MーTFAにて100℃4時間処理し、乾固後無水酢酸とNaHCO_3でNーアセチル化し、脱塩後ピリジルアミノ化した。窒素気流下で乾固し、一部を陰イオン交換樹脂カラムを用い、オートインジェクターとデータ処理装置の付いたHPLCにて分析を行った所、1ー10ナノモルの単糖について定量性のあることが分かった。又ペプチド由来の妨害ピークの有無を調べるため、糖を含まない蛋白質を水解、Nーアセチル化、ピリジルアミノ化し、HPLCで分析した所、ピリジルアミノ糖の分離を妨害するピークは認められなかった。 上記反応が自動的に行える様な自動分析機を試作したが、この機械を用いて1ー10ナノモルの単糖(および、その量に相当する)糖蛋白質の水解物について糖の定量を行った所、満足すべき結果が得られた。今後は加水分解、Nーアセチル化も含めて自動的に糖分析を行える機器を作る予定である。
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[Publications] N.Morita: J.Biochem.103. 332-335 (1988)
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[Publications] Y.Kimura: J.Biochem.103. 944-949 (1988)
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[Publications] S.Natsuka: J.Biochem.103. 986-991 (1988)
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[Publications] S.Hase: J.Chromatogr.434. 51-60 (1988)
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[Publications] S.Hase: J.Biochem.104. 867-868 (1988)
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[Publications] S.Yamamoto: J.Biochem.105. inpresss (1989)
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[Publications] 長谷純宏: "糖鎖の基本構造と分析法(臨床病理79号)" 臨床病理刊行会, 1-12 (1988)
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[Publications] 長谷純宏: "糖蛋白質の糖鎖構造解析(化学と生物26巻)" 学会出版センター, 758-761 (1988)