1988 Fiscal Year Annual Research Report
ミラクリン(すっぱいものを甘くする蛋白質)とその活性ペプチドの構造決定及び大量精製法の開発
Project/Area Number |
62880021
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
栗原 良枝 横浜国大, 教育学部, 教授 (90017715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小今井 直養 三田尻化学工業, 研究員
栗原 堅三 北海道大, 薬学部, 教授 (00016114)
中谷 一泰 昭和大, 薬学部, 助教授 (40053855)
中村 泰治 昭和大, 薬学部, 教授 (70053759)
麻生 武夫 横浜国大, 教育学部, 教授 (40017736)
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Keywords | ミラクルフルーツ / ミラクリン / ミラクリンの一次構造 / ミラクリンの糖鎖構造 |
Research Abstract |
1.ミラクルフルーツの木の栽培条件を種々検討した結果、生成を早めるために温度を上げることより、病害虫からまもる意味で耐寒性をもたせることがよいことが明らかになった。また、つぎ木に関しては、種々のアカテツ科の木を用いて適当な台木をみつける実験を行っている。今後も引き続き行う予定である。 2.ミラクルフルーツからミラクリンを効率よく得る方法を検討した結果、抽出・精製の操作の過程をなるべく短時間で行うことが必要であることがわかった。CMセファロースカラムによる活性画分の抽出後の脱塩の操作を早く行うことが、収量を上げる鍵となることがわかった。 3.精製ミラクリンを用いて、アミノ酸配列順序の決定を行った。まず、Sーカルボキシアミドメチル化ミラクリンを用いて、N末端から46番目までのアミノ酸配列を自動アミノ酸シークエンサーにより決定した。次にリシルエンドペプチダーゼ、TLCKキモトリプシン、Vー8プロテアーゼ等を用いて、ミラクリン分子の切断を行った。生成したペプチドをHPLCで分画し、各ペプチドをアミノ酸シークエンサーにかけた。また、各ペプチドのアミノ酸組成を測定し、アミノ酸シークエンサーで得られた結果の確認を行った。その結果、ミラクリンは191個のアミノ酸からなる一間のポリペプチド鎖から構成され、糖鎖は2ケ所でNーグリコシド結合していることが明らかになった。また、分子中に7個のシステイン残基があり、これらはSーS結合を形成していることがわかった。さらに、2ケ所のーSーSー結合の位置が決定された。 4.ミラクリンには14%の糖が含まれている。単糖組成はグルコサミン、ガラクトース、マンノース、キシロース、フコースなどである。ミラクリンには少なくとも10種類の糖鎖があり、主な糖鎖はキシロースを含む複合型構造をしていることが明らかになった。
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[Publications] S.Theerasilp et al.: J.Biol.Chem.264. (1989)
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[Publications] S.Theerasilp;Y.Kurihara: J.Biol.Chem.263. 11536-11539 (1988)
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[Publications] S.Nakajo et al.: Chemical Senses. 13. 663-669 (1988)
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[Publications] M.Maeda et al.: Tetrahedron Lett.(1989)
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[Publications] Y.Kurihara et al.: Tetrahedron. 44. 61-66 (1988)
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[Publications] Y.Kurihara et al.: Annals.of the New York Acad.Sci.510. 747-749 (1987)
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[Publications] Edited by lnglis miller: "Beidler Symposium on Taste and Smell" Book Service Associates Winston-Salem,North Carolina, 75-81 (1988)