1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62890009
|
Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 驍 秋田工業高専, 土木工学科, 教授 (80042315)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 宣悦 レイデイック, 常務取締役
長谷川 武司 秋田工業高専, 一般科目, 助教授 (10004409)
矢野 勝俊 山形大学, 理学部, 助教授 (90006940)
佐藤 幸三郎 弘前大学, 理学部, 教授 (70003316)
|
Keywords | 降雪強さ / 降雪粒度分布 / 降雪状況 / 降雪時間間隔分布 / 降雪片性状分析装置 / シルエット測定方式 |
Research Abstract |
本年度は、(1)新型の降雪検知器2台を試作し試験観測を行なう、(2)前項の観測機器や他の気象要素によるデータ収録を目的とした多チャンネルディジタル記録システムを開発する、(3)フィールド調査により降雪粒、積雪断面、雪質、降雪状況などを把握し、機器観測のデータと付き合わせ装置の信頼性を高める方策を検討する、(4)超音波式降積雪計の改良を行なうためのフィールド実験を行なう、等が予定されていた。しかるに、秋田においてこの冬季シーズンは稀にみる少雪となり、主として第1〜2項目が実施できる結果となった。この年度における成果は次の通りである。 1.新型の降雪検知器として、降雪片性状分析装置を設計・試作した。この装置はシルエット測定方式を採用し、降雪片の実効面積に応じたアナログ出力電圧が得られる。装置が降雪片を正確に認識するための、誤動作回避システムがハードウェアおよびソフトウェアによって達成されている。機器の較正値は1v/cm^2である。 2.前項の測定器により試験観測を秋田高専において行なった。観測期間内の12月末〜1月上旬において相当量の降雪があり下記の知見を得た。 a)降雪の粒径分布は激しく降る場合小さい降雪片が卓越する。しかし雪が止んでくるに従がい大きい降雪片が卓越する。 b)単位時間内の降雪頻度が同じであれば、-3℃以下の気温の時小粒径の降雪片が卓越し、これを越える気温では大粒径の降雪片が増加する。 c)降雪の粒径の度数分布は、対数正規型のように見られる。これは昨年度のイメージプロセッサによるものと同様の結果である。 d)降雪時間間隔の度数分布は対数正規型のように見られる。前述c)の結果と合わせ、これは雪の降るメカニズムに対応すると考えられる。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Ito,Takeshi;T,Hasegawa: International Symposium on Cold Regions Development 1988. 3. 306-314 (1988)
-
[Publications] 伊藤驍: 土と基礎. 37(3). 57-61 (1989)
-
[Publications] 伊藤驍: 第5回雪工学シンポジウム論文報告集. 5. 13-18 (1989)
-
[Publications] 伊藤驍,山崎宣悦,長谷川武司: 第5回雪工学シンポジウム論文報告集. 5. 19-20 (1989)
-
[Publications] 佐藤幸三郎,道上宗己: 東北地域災害科学研究報告. 24. 38-43 (1988)
-
[Publications] 矢野勝俊,奥山浩一: 東北地域災害科学研究報告. 25. (1989)
-
[Publications] 伊藤驍: "降積雪の時系列変動と地域特性に関する統計的研究" 日本積雪連合, 1-254 (1989)
-
[Publications] 伊藤驍: "東北地方における降積雪の特性と雪害防止対策に関する資料目録" 文部省重点領域研究「自然災害」総合研究班, 1-35 (1989)