1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010017
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 宣生 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012723)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 英夫 東京大学, 理学部, 助教授 (60111449)
東中川 徹 三菱化成生命研究所, 教授 (70131935)
井手 利憲 広島大学, 医学部, 教授 (60012746)
岡崎 恒子 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022584)
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
|
Keywords | がん遺伝子 / 細胞変異株 / cDNAライブラリー / ゲノムライブラリー / がん抑制遺伝子 / がんウイルス / fos / myc |
Research Abstract |
細胞核内に局在するがん遺伝子産物が関与する発がんあるいは細胞増殖の遺伝子レベルでの機構、とくに遺伝子機能の連鎖反応を解明する手掛を求め、細胞増殖に関する変異株および条件的にかん遺伝子を誘導しうる細胞変異株などを用い、細胞増殖あるいはトランスフォーメーションの表現型と平行して変化する細胞因子あるいは細胞遺伝子を検索した。細胞因子としてはGoからS期への移行に関する温度感受性変異株の解析により増殖誘導後に特異的に合成量が増加する分子量7万のタンパク質を見出した。遺伝子としては、抗c-fos抗体で沈降するタンパクから作製したプローブを用い、ゲノムライブラリーよりc-fosに類似したlecine zipper構造をコードする遺伝子を分離し、またTPAにより誘導される遺伝子をcDNAライブラリーから検索することにより、c-fosによる調節が示唆される遺伝子を分離した。さらに正常細胞より作製したcDNA発現ライブラリーを用い、SV4Oでトランスフォームした細胞を正常細胞型に変化させうる遺伝子が存在することを示唆した。これら分離した遺伝子について、その塩基配列および機能の解析ががん遺伝子機能との関連で進められている。一方上記の研究を側面から援助する研究として個々のがん遺伝子機能の解析が行われ、1.網膜芽細胞腫を抑制するRb遺伝子がSV4OT抗原により誘導されること、2.アデノウイルスE1B遺伝子により発現が調節される遺伝子の転写調節領域の構造、3.c-fosのトランスフォーメーション機能のドメイン構造を明らかにした。さらにアフリカツメガエルのc-fos遺伝子のクローニング、抗体カラムによるc-mycタンパクの精製を行った。またポリオーマウイルスがん遺伝子の転写因子の解析により、分化誘導に機能する可能性のある転写因子を明らかにした。構造から機能を推定すべくSV4OT抗原の核内三次元的分布も検討した。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] Satake.M.: Oncogene. 3. 69-78 (1988)
-
[Publications] Iba.H.: Oncogene Research. 2. 121-133 (1988)
-
[Publications] Tai.Y.Y.: Experimental Cell Research. 179. 50-57 (1988)
-
[Publications] Naoe.T.: FEBS Letters. 240. 49-54 (1988)
-
[Publications] Shibamura.M.: Oncogene. 3. 17-21 (1988)
-
[Publications] Shiroki.K.: Joirnal of Virology. 62. 325-330 (1988)
-
[Publications] Matsuzaki.A.: Virology. 165. 57-65 (1988)
-
[Publications] Moritsuka.T.: Oncogene Research.
-
[Publications] 中村晋武: 蛋白質 核酸 酵素. 33. 1752-1757 (1988)