1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川名 尚 東京大学, 医学部(分), 教授 (90010272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 裕吉 千葉大学, 医学部・産婦人科, 教授 (60009107)
杉森 甫 佐賀医科大学, 産婦人科, 教授 (50038642)
中島 孝 国立がんセンター, 病理部, 室長 (20124422)
倉田 毅 国立予防衛生研究所, 病理部, 部長 (50012779)
福島 道夫 札幌医科大学, 産婦人科, 講師 (80142363)
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Keywords | 子宮頸癌 / 子宮頸癌前癌病変 / ヒトパピローマウイルス (HPV) / HPV16型 / HPV52b型 / HPV58型 |
Research Abstract |
本班の目標は、ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸癌の関連性を臨床病理学的な立場から検討することである。日本の子宮頸癌におけるHPV-DNAの検出頻度を北海道から大阪に至5カ所で検討した。その結果、40〜70%の頻度で、HPV-16、18、33、52b、58型が検出されている。なかでもHPV-16型は最も検出頻度が高く、北海道で54%、東北で45%、千葉で40%、東京で40%、長野で20%、大阪で30%の子宮頸癌に検出された。子宮頸部の上皮内癌ではHPV-16型が25%から56%に検出され、子宮頸部上皮異形の高度なものでは25〜50%、中等度のものでは10%、軽度のものでは13〜50%に検出されHPV-16型本邦でも子宮頸部の癌や前癌病変に存在することが判明した。 一方で本邦の子宮頸癌検体よりHPVの新しいタイプがクローニングされ、52b型、58型が本班関係者により発見された。52b型は東北では0%、大阪では13%の子宮頸癌に検出され、58型は6%の長野の子宮頸癌より検出された。現在のところ病変の病理学的特徴とHPV感染をサブタイプのレベルで考えることは検討中で、さらに症例数の追加を要す。 HPV-16型は、Filter in situ法にて、一般健康人から3〜6%の頻度で検出された。今後の長期観察によりHPVの自然史を明らかにする点で、重要な発見である。 新しい試みとしてPCRを用いたHPVの検出や、HPV-1に対するモノクローナル抗体の作成が行われている。 なお本研究は11か所の施設で、個々に内容が異なる分担で施工したため、各分担の研究が速やかに効率よく実行されるように、各班員に補助金の分配を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 杉森,甫: 日本臨床細胞学会雑誌. 27. 371-374 (1988)
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[Publications] Hajime Yamjima.: Cancer Research. 48. 7164-7172 (1988)
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[Publications] H.Shirasawa.: Journal of Virology. 62. 1022-1027 (1988)
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[Publications] 寺島英雄: 医学のあゆみ. 147. 861-862 (1988)
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[Publications] 中島孝: 日本婦人科病理 コルポスコピー学会雑誌. (1989)
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[Publications] Motoyasu Sugase.: Japanese Journal of Cancer Research. (1989)