1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 俊一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60117166)
月田 承一郎 東京都臨床医学総合研究所, 室長 (50155347)
関口 清俊 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (50187845)
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80022581)
広川 信隆 東京大学, 医学部, 教授 (20010085)
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Keywords | がん転移 / 細胞接着 / 細胞骨格 / カドヘリン / 接着帯 / フィブロネクチン / アクチン |
Research Abstract |
がん細胞の接着と運動の機構に関し、以下のような成果を得た。1.カドヘリンの細胞質領域が、この分子の機能にとって必須の役割を果たしていること、また、この領域に細胞質内タンパク質が結合することを見出した。2.接着帯の細胞幕裏打ち構造について分子的解析を行い、5つの成分(400kd、82kd、70kd、55kd、50kdタンパク質)について、抗体を作成しその細胞内分布を明らかにした。この中、82kdのものはアクチンと結合し、ラディキシンと名付けられた。3.微小管関連タンパク質タウの全長を含むcDNAをクローニングし、これを用いてマタウが神経突起の基本となる微小管の重合と束形成に関与していることを明らかにした。また、モーター分子キネシンの分子構造をモノクローナル抗体による修飾により解明した。4.中間径フィラメントのリン酸化による脱重合の機構を探り、ヘッドドメインのリン酸化が重要であることを示した。5.黒色腫において、転移能と逆相関して発現するA^Xアクチンに対するcDNAをクローニングし、その全構造を決定した。次に、A^XcDNAを細胞に導入することにより、この分子が運動能および転移能を低下させることを明らかにした。また、v-fosがん遺伝子をsrcで形質転換した3Y1細胞に導入すると、肺への転移が増大し、運動性が有意に増強されていることを明らかにした。6.TPAに対して形態的応答をしないTR4細胞は、がん遺伝子導入により高転移性を示し、また、39kd膜結合タンパク質が欠失していることを明らかにした。7.フィブロネクチンmRNA前駆体の可変的スプライシングが、がん化に伴い胎児性の変化をすることを明にした。8.虹彩上皮に存在しレンズ再生の過程で一過性に消失する分子量70kd糖タンパク質は、分化形質の安定化を司るものであることを示唆した。
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[Publications] A.Nose.: Cell. 54. 993-1001 (1988)
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[Publications] A.Nagafuchi.: EMBO Journal. 7. 3679-3684 (1988)
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[Publications] N.Hirokawa.: J.Cell Biology. 107. 1449-1461 (1988)
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[Publications] Y.Kanai.: J.Cell Biology.
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[Publications] Sh.Tsukita: J.Cell Biology. 108. 31-41 (1989)
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[Publications] H.Sadano.: Journal of Biological Chemistry. 263. 15868-15871 (1988)